【東京モーターショー2017】いすゞ、6輪駆動トラックで存在感…“運ぶ”を支える商用車で主役を目指す

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『ISUZU 6x6』(東京モーターショー2017)
  • 『ISUZU 6x6』(東京モーターショー2017)
  • 『エルフEV』と片山正則社長(東京モーターショー2017)
  • デザインコンセプト『FD-SI』(東京モーターショー2017)
  • 『mu-X』(東京モーターショー2017)

いすゞ自動車は今回の東京モーターショーで4種類の参考出品車両を展示した。デザインコンセプト『FD-SI』、6輪駆動トラック『ISUZU 6×6』、EVトラック『エルフEV』、パッセンジャーピックアップビークル(PPV)『mu-X』がそれだ。

なかでも圧倒的な存在感を示していたのが『ISUZU 6×6』と言っていいだろう。なにしろ受付の後ろにドーンと構え、そのオレンジのボディから威圧感を感じざるを得ないからだ。

いすゞは永年、防衛省へ専用車両を納めている。その車は圧倒的な悪路走破性を備えており、東日本大震災の救援や復興の場面でも活躍した。その防衛専用車両に採用した、悪路走破性と高い耐久信頼性、そしてこれまでの実績のDNAを民生用トラックに移植したものが『ISUZU 6×6』とのことだ。

「今後も多くの自然災害への備えが必要とされる日本列島において、企業理念に『運ぶを支える』を掲げる商用車メーカーとして、非常時の『ライフラインを繋ぐ』お役に立つことのできる民生用トラックの提案こそ、いすゞの重要な使命の1つである、との思いを具現化させた車両です」と片山正則社長は説明する。

『エルフEV』は2018年にモニター販売する予定の小型EVトラックで、ゼロエミッション、低騒音であるのはもちろんのこと、商用車にとって大切な架装物も電気で動かすことができる。大容量バッテリーを搭載し、次世代の急速充電技術にも対応しており、“働くクルマ”として十分な性能を兼ね備えているという。

「モニターを通じ、用途ごとの最適な仕様を見極め、『経済合理性』と『使い勝手の良さ』を兼ね備えた商用車EVにつくり込んでいきたいと考えている」と片山社長。

『mu-X』はタイで生産しているピックアップトラック『D-MAX』ベースのSUVで、現在、タイやフィリピン、オーストラリアなどで販売している。このクルマも人気でグローバル販売台数が約3万台だ。悪路走破性や耐久性に優れ、室内の広さも同クラスでは最大級だという。オンとオフの用途を想定し、3tまで牽引できる。

そして、『FD-SI』はデザインを重視し、いすゞの英知を集めてつくった商用車で、とてもものを運ぶトラックのようには見えない。「“ものを運ぶこと、受け取ることの楽しさ”をイメージしながら、小口配送をしっかりと支える『未来』の姿を表現した」(片山社長)そうだ。

蜂の巣をモチーフにした外観デザインで、カーゴスペースには、強度と積載効率のバランスに優れるハニカム構造を採用している。確かにこんなクルマで荷物を受け取ったら、ワクワクして笑顔がこぼれるのは間違いないだろう。

今年創立80周年を迎えいすゞは、今後も“運ぶ”を支える商用車の主役を目指し、ハードだけでなく、安全運転や業務効率につながるソフトにも力を入れている方針だ。ブースには4種類の参考出品車両のほかに、80周年記念モデルのトラック3台が展示されている。

《山田清志》

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