【スズキ RM-Z450 試乗】コースが狭く感じるほどの凄まじいパワー…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
スズキ RM-Z450(2018年モデル)
  • スズキ RM-Z450(2018年モデル)
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  • Team SUZUKI 小島庸平選手

フルモデルチェンジしたスズキの競技用モトクロッサー『RM-Z450』(2018年モデル)に、全日本モトクロス選手権も開催されるウエストポイント・オフロードヴィレッジ(埼玉県川越市)にて乗った。

まず、450ccのモトクロッサーとはいったいどんなものなのかを説明すると、モトクロスレース専用に開発されたマシンで、国内外の最高峰クラスで乗られているトップエンドモデル。

市販化にあたっては、各メーカーがトップカテゴリーで得たレーシングテクノロジーを惜しみなく注ぎ込み開発され、ユーザーのほとんどはプロ・アマを問わず表彰台に立つことを目指しているレーサー、あるいはクローズドコースでのスポーツライディングだけを目的にした腕自慢のライダーたちだ。

そんなカテゴリーのバイクだから、エンジン、サスペンション、すべての性能が最高水準にある。『RM-Z450』もまた開発目標を「レースで勝利できるマシン」とし、2018年式ではメインフレーム、エンジン、すべてを大刷新した。

まず、見るからに機能的なスタイリングにウットリせずにはいられない。スズキらしいイエローに青のアクセントを入れたカラーグラフィックは、世界選手権モトクロスを走るマシンとそっくり。アグレシッブなルックスとしか言いようがない。

試乗にあたっては、スズキの開発スタッフ、メカニックらがフルサポートしてくれ、コースサイドに設置されたピットはまるでスズキのファクトリーチームのよう。贅沢なテストライドとなったことを先に報告しておく。

というのも、シートに跨れば、すかさずメカニックがサスペンションの乗車1Gを計って調整してくれ、さらにセッティングの要望も聞いてくれるという体制。すぐ傍では2015年度全日本チャンピオンの小島庸平選手(Team SUZUKI)も見守っていてくれるから、なんだか自分がワークスライダーになったような気持ち。スズキのレーシングマシンに対する真摯な姿勢が、こういうところにあらわれている。

コースインすると、その凄まじいまでのエンジンパワーに怯む。アクセルをワイドオープンしようものなら強烈に加速し、あっという間にコーナーが目前に迫る。トップライダーらも走る本格的なモトクロスコースであるにも関わらず、『RM-Z450』に乗ってしまえば「狭い」と感じてしまうのだ。

そして450モトクロッサーとは思えぬほど、車体が軽く、曲がりやすい。車体はスリムで前後左右に身体が動きやすいし、従来の450モトクロッサーのイメージは「持て余すほどのパワーがあり、曲がるには一苦労」というものだったが、『RM-Z450』はコーナーで車体がすんなりと寝ていき、重さをまるで感じない。

エンジンは低中速からトルクが太いしサスペンションもソフトにストロークするから、これなら一部トップライダーだけでなく、ビギナーや中級者だって楽しく走れ、レースでも好成績が残せそうだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
デザイン:★★★★
始動性:★★★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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