【ブリヂストン ブリザックVRX2 試乗】接地性への考え方を180度転換「確実に走りやすくなった」…斎藤聡

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ブリヂストン ブリザックVRX2 に斎藤聡氏が試乗
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ブリヂストンから新型スタッドレスタイヤ『ブリザックVRX2』が発売された。氷上ブレーキ性能を上げ、静粛性を高め、さらに摩耗ライフを向上させているのが特徴だ。つまり、より氷に強く、静かで長持ちというのがVRX2の特長だ。

VRXの後継モデルで、コンパウンドも親水コーティングを施し吸水効果に優れる気泡や太い水路を持ったアクティブ発泡ゴムの基本メカニズムを受け継ぎながら進化した「アクティブ発泡ゴム2」を搭載している。

具体的には、配合するシリカの粒子を小さくし、ポリマーの分散性を良くすることで、ムラのない均一な柔らかさを実現している。また、摩擦力向上剤の配合を増やし、特定のポリマー(≒ゴム)と結びつけることでグリップ性能をアップ。結果的にゴムの柔らかさはそのままに、ゴムと氷のグリップ力アップを実現している。

タイヤ形状も左右非対称形状を継承。タイヤの左右のサイドウオール(側面)の形状を変えることで、ふらつき軽減と直進安定性を高めている。

と、こう書くとマイナーチェンジのように思えるが、大きく変化した部分がある。それがトレッドデザインだ。

◆接地性への考え方を180度転換
ブリヂストン ブリザックVRX2
3本の縦溝を基調にした左右非対称パタンを採用するとともに、横方向の溝を増やしたデザインをよく観察すると、ブロックに刻まれたサイプは、従来はサイプを増やしブロックを柔軟に作るよう設計されていたが、VRX2ではその考え方を180度転換している。サイプ密度を減らし(適正化)、ブロック剛性を高く取って、ブロックの倒れ込みを抑えて接地性を高めようというものに変わったのだ。

単純にゴムそのもののグリップが上がり、氷上でのグリップ性能が上がったので、よりブロック剛性が必要になってきたということなのだろう。また、「ひっかく」ことと、接地面を増やして「とらえる」両機能をバランスさせた方がグリップ性能が高まるようになった、ということもあるのだろう。

いずれにしてもブロック剛性を高くすることで実質的な接地面積を広くとり、グリップ性能を高めるという考え方に変わったのだ。その結果、接地面圧が分散し、耐磨耗性能も向上した。

氷盤路を走らせた印象では、確実に氷上ブレーキ性能が良くなっているのが感じ取れる。路面をとらえているグリップ感がよりはっきりとあり、特に停止直前から止まるまでの距離が短くなっているように感じられた。
それから、氷盤路でレーンチェンジした場合も、ハンドルを切り出した時の応答がよく、ハンドル操作にピタリと付いてくる感じでクルマの向きがスーッと変わってくれる。また、VRXは舵が深くなると手応えがグニャッとしてくるのに対して、VRX2はハンドルを深く切った時も手応えがしっかりと出ており、舵の効きもいい。ブロック剛性の高さが感じられた。

◆圧雪路でも感じられるブロック剛性の高さ

スパイダーチャートではそれほど性能アップは記されていないが、圧雪路でのフィーリングも良かった。接地面全体で路面をとらえている感触がしっかり出ている。接地面圧がより均一に近くなっているので、接地面全体で路面をとらえているのが伝わってくるのだろう。

ブロック剛性の高さは、ハンドルを切り出した時の応答性にも現れており、ハンドルを切り出すと素直にクルマが向きを変えてくれる感じの、自然というか、ナチュラルな走行感覚がある。

特に60km/hくらいまでの速域では、横溝成分が路面を蹴り出すトラクション性能に役立っているようで、空転が少なくしっかりクルマを前に進めてくれる。このあたりにもブロック剛性が上がった効果が現れているのだろう。

ただ中高速域では…まあ、あまり実用的な領域ではないが、横方向踏ん張るためのエッジ成分がもう少し強く出ていてもいいかなと感じた。

◆確実に走りやすくなった

とはいうものの、ブロックをしなやかに使うという考え方から、ブロック剛性を高める方向に設計思想を変え、その結果として氷の路面では接地面の広さでグリップ性能が高まった。また、圧雪路ではトレッドパタンとの相乗効果なのだろうが、トラクションがよくなっている。蹴り出しのグリップ感、トラクション感が明瞭で、滑り出し寸前のインフォメーション性も上がっている。

また新旧タイヤを比較して改めて感じるのは、ブロック剛性が上がるとハンドルを切り出した時の節度感や手応えがぐっと良くなるということだ。それに応えられるだけのコンパウンドグリップを発揮できるようになったゴム開発の進化が一番の理由なのだろう。VRXと比べて確実に走りやすくなった。

耐摩耗性は確認していないが、これだけ接地面圧が分散していれば、トレッド面にかかる負担も軽減するので、当然磨耗にも有利なはず。謳い文句どおりのスタッドレスタイヤに仕上がっている。
斎藤聡氏
斎藤聡|モータージャーナリスト
特に自動車の運転に関する技術、操縦性に関する分析を得意とする。平たくいうと、クルマを運転することの面白さ、楽しさを多くの人に伝え、共有したいと考えている。そうした視点に立った試乗インプレッション等を雑誌及びWEB媒体に寄稿。クルマと路面との接点であるタイヤにも興味をもっており、タイヤに関する試乗レポートも得意。また、安全運転の啓蒙や普及の重要性を痛感し、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターも行っている。

◆ブリヂストン ブリザックVRX2 詳細はこちら
http://tire.bridgestone.co.jp/blizzak/items/vrx2.html
《斎藤聡》

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