グランツーリスモ最新作で『Car Watch』vs『レスポンス』! はたして勝者は…?

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スタジオツアーを先導する山内氏
  • スタジオツアーを先導する山内氏
  • 山内氏の執務室も公開された
  • 喫煙室が高校の部室のようになっているという山内氏。住み着いてしまった社員が作ったというサウンド制作用機材セット。ジングルなど実際にここで作られているという。
  • アイルトン・セナ財団から贈られたというヘルメット。
  • 取材に利用する撮影機材。これだけ大量に用意されている
  • ライトの内部の形状やレンズなども正確に再現しているという
  • 質感のリアルな再現性が確認できる
  • コースもリアルに再現されており、実写と見紛うばかり

ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(SIEJA)は7月26日、プレイステーション4用ソフトウェア『グランツーリスモSPORT』の発売に先立ち、ポリフォニー・デジタル東京スタジオにて、メディア向けスタジオツアーを開催した。グランツーリスモSPORTは、リアルドライビングシミュレーターを謳うゲームソフト。シリーズ7作目にあたる。発売日は10月19日の予定。

スタジオツアーでは、ポリフォニー・デジタル代表取締役兼プレジデントの山内一典氏自身が案内役となり、製作過程の裏話や、製品へのこだわりを細かく紹介した。特に、車両をゲームの中に取り込む”モデリング”については、過去のシリーズ以上のリアルさを追求しているという。「今回のグランツーリスモSPORTでは、過去のモデリングデータは捨てて作り直している。”物理ベースレンダリング”の技術を取り入れ、また、今後さらに高解像化していくゲームプラットフォームに対応するためだ」

「モデリングは実車をレーザースキャンに掛けて、それを元に仕上げていく。1人で6か月かかる作業だ。ボディの形状はもちろん、塗装のフレークの大きさや、ライトのリフレクターやレンズ、メーターの書体まで、実車をもとに正確に再現している。そうしたデータの上にマテリアルの質感を追加することで、リアルに見えるようになる。仕上げ段階では、実車の写真の横にモデリングデータを並べて表示させ、リアルに再現されているかどうかをチェックする」

ツアーでは、実車の写真とモデリングデータを見比べることができたのだが、どれだけ注意深く見ても、どちらが実車でどちらがモデリングデータなのか、見分けることは結局できなかった。それほどリアルに再現されていた。残念ながら、この現場では撮影がNGであり、画像を掲載することはできないが、車両が写っている画像で、ぜひそのリアルさを確認してほしい。

リアルさの追求は車両だけにとどまらない。”リアルなコース”へのこだわりも相当なものだ。「コースもレーザースキャナで航空測量して点群データを収集し、再現する。さらに路面は車載でスキャンする。ミリ単位の精度だ。コースわきの植栽も、地域ごとに実際の植物を採取し、葉の反射率や透過率を取り込んで再現している」

グランツーリスモSPORTのリアルさは、このような膨大な取材とデータ化作業によって実現されていることがうかがえるツアーとなった。

■Car Watch編集部との2番勝負!

そのあとに用意されていたプレイタイムの時間に、偶然居合わせたCar Watch編集部の面々と、ここで会ったが三年目、自動車Webメディアの威信を賭けた勝負をしようということに。対戦は、グランツーリスモSPORTのオンライン対戦機能を利用して、メンバー4人による1vs1の2回勝負。コースは首都高速をモチーフとした東京エクスプレスウェイ、車両はポルシェ『911 GT3RS』とした。

まずは1回戦。レスポンス編集部が好スタートを切ったものの、その後は抜きつ抜かれつを繰り返す展開。ファイナルラップに入ってレスポンス編集部がリードするも、その差はわずか。そしてラップ後半、狙いすましたかのように、Car Watch編集部の白いポルシェがインを突き、きれいにオーバーテイクし、そのままフィニッシュ。グランツーリスモシリーズをやりこんでいるというCar Watch編集部T氏の技量の高さを見せつけられた結果となった。

そして2回戦。後がないレスポンス陣営としては負けられないところだが、ここで私の出番。ところが不肖わたくし、グランツーリスモは久しぶりで、最新作のリアルな挙動や操作感になかなか慣れず、緊張のままスタート。

ところがスタート直後、Car Watch編集部の白いポルシェがハーフスピン!期せずして大きなリードを得ることになる。そのときの私の心境といえば、「リードは得たものの、不用意な操作をするとあっという間に姿勢を崩す…。とにかくスピンをしないよう、安全マージンを取って走り、そのままゴールしたい!」というもの。

しかし、そううまくは運ばないのがレースというもの。ファイナルラップに入り、いつの間にかミラーに写る白いポルシェ。そして、焦る間もなくオーバーテイクされてしまった。平静を失った私は、心理状態がそのまま挙動に現れたような荒い走りとなり、カーブに突っ込み過ぎては出口で失速、挙句の果てには大スピンをかまし、ここで勝負あり。あえなく2連敗となってしまった。

レスポンス編集部としては技量不足を露呈することとなり、情けないことこの上ない結果となったが、しかし同時に、グランツーリスモSPORTのオンライン対戦機能は、そのリアルさも相まって、心拍数が上がりまくりの緊張感ある楽しさにあふれていたことを報告して、レポートを終わりとしたい。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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