日産ゴーン社長「2022~23年には無人運転タクシーが実現」…講演

自動車 テクノロジー ITS
日産自動車のカルロス・ゴーン社長(Slush Tokyo 2017)
  • 日産自動車のカルロス・ゴーン社長(Slush Tokyo 2017)
  • 日産自動車のカルロス・ゴーン社長(Slush Tokyo 2017)
  • 日産自動車のカルロス・ゴーン社長(Slush Tokyo 2017)

日産自動車のカルロス・ゴーン社長は3月30日、都内で開かれた起業家向けの国際イベント「Slush Tokyo 2017」で「自動車の先端技術がつくる新しい時代」をテーマに対談形式の講演を行った。

ゴーン社長はまず、自動車技術の現状について「電動化、コネクティッドカー、自動運転が台頭しており、クルマは将来へ向けて益々進化していく」との認識を示した。自動運転技術については、交通事故や渋滞の抑制などをもたらすことができ「社会にも個人にも大きなメリットを提供する」と指摘。とりわけ、高齢化が進む日本では「政府が懸念する高齢者の事故が減るとともに、クルマが移動に必須の地方では高齢者にとってより自動運転が重要になる」と述べた。

日産の自動運転技術の実用化計画については、高速道路での複数車線走行(2018年)、市街地走行(2020年ごろ)といった従来方針に加え、「私たちはドライバーが必要な自動運転と無人運転(完全自動運転)のふたつに取り組んでいる。22年から23年には無人運転のロボットタクシーが実現しているだろう」との見通しも示した。

一方で、クルマ側に全ての操作を委ねる完全自動運転の技術については「信頼性を担保するまでの準備はまだできていない」と、技術ハードルが高いとの認識も表明した。そのうえでロボットタクシーなどの完全自動運転車は「信頼性が98%でも99%でも不十分であり、100%でなければならない」と指摘した。

電動化技術では日産が市場投入で先行してきた電気自動車(EV)について、「世界で年間9000万台のクルマが販売され、毎日10億台以上のクルマが走っている。今後、インドなどでモータリーゼーションが進めば、今のように排ガスは出せない。ゼロエミッションは(クルマの)未来である」と述べ、EV重視で取り組む背景に言及した。

聴講者からの質問を受けるコーナーでは、2000年から順次就任した日産の社長およびCEO職を3月31日で退任することの感想を求められた。ゴーン社長は「CEOの仕事は会社を成長させることに尽きる。1999年の日産はグローバル販売が230万台、売上高営業利益率は1%、そして200億ドル以上の有利子負債を抱えていた。今では販売は560万台、利益率は8%、200億ドル相当のキャッシュポジションとなっている。また、アライアンスではルノーと三菱自動車とともにグローバル販売が1000万台とトップクラブに入るなど、より強いブランドになった」と、この間の成果をアピールした。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集