JR北海道「上下分離」想定線区、今後20年で167億…大規模修繕費の概算示す

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日本最東端の駅として知られる根室本線の東根室駅。同駅を含む釧路~根室間を維持する場合、今後20年間で30億円の大規模修繕・更新費が必要になるという。
  • 日本最東端の駅として知られる根室本線の東根室駅。同駅を含む釧路~根室間を維持する場合、今後20年間で30億円の大規模修繕・更新費が必要になるという。
  • 各線区・各施設別の大規模修繕・更新費用の内訳。
JR北海道は2月8日、1日平均の通過人員(旅客輸送密度)が200人以上~2000人未満の線区を維持する場合、大規模修繕・更新の費用が今後20年間で167億円かかると発表した。

同社は過疎化に伴う利用者の減少や、相次ぐ事故・災害の影響による経費の増加で経営が悪化している。2016年11月には、旅客輸送密度が2000人未満の線区を「当社単独では維持することが困難」と発表。このうち200人未満の線区は、今後20年間で58億円程度の維持更新費が必要とし、バス転換を基本に沿線自治体と協議する方針だ。

その一方、200~2000人未満の8線区については、特急列車による都市間輸送や観光客の利用もあることから、上下分離方式の導入による路線の維持を基本に、沿線自治体と協議する方針を示している。

JR北海道が今回発表したのは、旅客輸送密度が200人以上~2000人未満の線区で必要となる土木構造物などの大規模修繕・更新費用の概算。それによると、今後20年間で計167億円の費用が必要になるという。線区別の費用は以下の通り。

宗谷本線 名寄~稚内 183.2km 23億円
根室本線 滝川~富良野 54.6km 11億円
根室本線 釧路~根室 135.4km 30億円
室蘭本線 沼ノ端~岩見沢 67.0km 7億円
釧網本線 東釧路~網走 166.2km 33億円
日高本線 苫小牧~鵡川 30.5km 3億円
石北本線 新旭川~網走 234.0km 57億円
富良野線 富良野~旭川 54.8km 4億円

このほか、老朽化した車両の更新も必要で、200人以上~2000人未満の線区では観光列車用の車両を除いても268億円の車両更新費用が必要になるという。

上下分離方式は、列車の運行事業者(上)と施設の保有者(下)を分けて路線を運営する方式。2009年4月に上下分離方式を導入した若桜鉄道(鳥取県)は、線路施設を沿線自治体が保有し、若桜鉄道は沿線自治体から無償で施設を借り入れて列車を運行する「公有民営」を採用している。これにより若桜鉄道は2009年度から2011年度まで黒字を計上したが、利用者の減少などから2012年度以降は再び赤字となっている。
《草町義和》

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