【新聞ウォッチ】トヨタが経団連に送り込む早川茂新副会長の責任と期待

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トヨタの早川取締役
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。


2017年2月7日付

●トヨタ・スズキ提携発表(読売・1面)

●トヨタ円安で上方修正、3月期予想、4~12月期は減収減益(読売・2面)

●米車の日本販売低迷、1月ドイツ勢は好調(読売・8面)

●経団連副会長に早川氏、4人内定、新体制18人に(読売・8面)

●1月の新車販売首位N-BOX、2か月連続(朝日・6面)

●ホンダ二輪販売2系列に再編へ、店舗数は維持(朝日・7面)

●トヨタ協業1800万台連合、スズキと包括提携、未来の車主導狙う(日経・1面)

●純利益30%増、1333億円で最高、スズキ、4~12月(日経・15面)


ひとくちコメント

トランプ氏が米大統領に当選して以降、「人事は水物」といわれるように事前に予想するのはなかなか難しいが、今回の経団連の新任副会長をめぐる人選でも、ハプニングともサプライズとも言えるような人事があった。

「財界の総本山」と呼ばれる経団連の新しい副会長には、すでに“新聞辞令”などで明らかになっていた大成建設の山内隆司会長、新日鉄住金の進藤孝生社長、三菱電機の山西健一郎会長の3人のほか、4人目の副会長として新たにトヨタ自動車の早川茂取締役専務役員を充てる人事が内定したからだ。

新副会長の人選をめぐっては、トヨタ出身の内山田竹志会長が5月末に任期満了を迎えるが、後任の本命とみられていた豊田章男社長は「取り巻く環境が激変する中で、社長業とのに足のワラジは困難」と判断。ところが、経団連の榊原定征会長としては経済界に絶大なる影響力を持つ「トヨタ枠」を空席にはできないとの思惑から人選を促した。

そこで白羽の矢が立ったのは豊田社長の懐刀で“知恵袋”ともいえる取締役専務役員の早川氏だった。早川氏は1953年生まれの63歳。東大経済学部出身で、「工・販」合併前のトヨタ自販に入社。海外広報部門が長く、広報部長、セクハラ問題で辞めた北米トヨタの後任社長などを歴任し、2015年からは取締役に就任した。広報・渉外部門のトップとして東京五輪・パラリンピックを推進する部署を統括するなどの実務派タイプ。実直で物腰が柔らかく温厚な人柄からも社内外からの信望も厚い。

きょうの各紙は「経団連副会長に早川氏、4人内定、新体制18人に」(読売)などと報じている。ただ、朝日は「トヨタ、財界と距離? 経団連副会長にトップ未経験者」とのタイトルで「社長や会長など企業トップ経験者以外が経団連副会長に就くのは異例で、トヨタと財界の微妙な距離感を示している」と伝えた。

また、日経も「トヨタつなぎ留め腐心、トランプ旋風下発信力高める」(日経)として「経団連の内部ルールで副会長に就任するのは自社の社長や会長、副会長の経験者に限られる。この慣例をクリアするにはトヨタ内で誰かを副会長に昇格させる人事が必要になった」とも取り上げている。

たしかに、昔からの慣習などを重んじる経団連やこれまでのトヨタの社風からみても「異例の人事」とも受け取られるが、地盤沈下が際立つ組織を活性化させるには、今回のようなサプライズ人事で新風を吹き込むことも大切である。来年には日本自動車工業会の会長人事も巡ってくる。それだけに豊田社長の懐刀として大役を担う早川氏の責任と期待も大きい。
《福田俊之》

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