『Gクラス』を筆頭に、目下メルセデスベンツのSUV系モデルは全5車種。このうち『Cクラス』の一員として新登場となったのが、今回の『GLC』である。ベースは“C”だが“GLC化”は入念だ。たとえばCのワゴンと較べると、ホイールベースは35mm長いが全長は45mm短い(前後オーバーハングが短い)。天地にゆとりを持たせ前後席の頭上空間がより大きいのは当然。ラゲッジスペースも最大で1600リットルと余裕のサイズだ。室内はインパネ形状などは準Cクラス。BMWのX系もそうだが、もはやサルーンのしつらえそのもの。後席は座面前後長が案外と短いが、シート左右幅が大きく、広々感のある居心地を作り出している。試乗車は211ps/35.7kg・mの性能を持つ4気筒の2リットルターボ車。走行モード切り替えを活用しながら走らせると、ジワリと発進することも、望みどおりの加速を得ることもできる。不快な振動、ノイズを感じないのは縦置きエンジンの強み。9速ATのおかげで、シーンを問わずストレスなく走れる。19インチのピレリ・スコーピオン・ヴェルデ(ランフラット)を履く足回りは、オンロード/オフロードの差別なく、快適な乗り味とシーンを問わない剛性感を感じさせてくれる。オフでの、ステアリングに感じるキックバックも小さい。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。