新開発の水冷直列2気筒998ccエンジンを、真新しいシャシーに搭載したホンダ『CRF1000L アフリカツイン』。そのメディア向け試乗会と技術説明会は、発売日である2月22日を直前に控えた2月16~18日、モトスポーツランドしどき(福島県いわき市)でおこなわれた。
開発メンバーのリーダー格、本田技術研究所二輪R&Dセンターの工藤哲也氏は、そこでCRF1000L アフリカツイン<DCT>に採用するDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)について説明した。
「ツーリングバイクとして、快適に走るために搭載したという側面がある一方で、オフロードでの走破性を高めるためにも有効です」
「たとえば、泥濘や荒れたところでは、低いギヤと回転域でライダーは車体のバランスをとりながら、繊細なアクセル操作とクラッチワーク、それにシフト操作もしなければなりません。そんなときにDCTが威力を発揮してくれます」
つまり、神経を集中させなければならない半クラやギヤチェンジからライダーは解放され、乗り手はただただハンドル操作とアクセルワークに集中し、車体をバランスさせればいいのだ。
「オフロード走行にDCTが必要なのかという人もいると思いますが、いちど試したら気に入ってもらえるはずです。もちろん、市街地走行や高速巡航でもコンフォート性を高めます」
そして、工藤氏はこうも言う。
「高速道路でのクルージング性能にもこだわりました。オフロードへ行くまでの移動も快適。それがアフリカツインですから、高いプロテクション効果を持っています」
CRF450 RALLY(ダカールラリー参戦車)に用いたコンパクトで角度の起きた形状のウインドスクリーンを採用。中央の通気口に加え、両サイドに隙間を設けて走行風を取り込むことで、スクリーン前後の圧力差を低減。乗り手の頭部付近の防風効果を高めるとともに、上半身に当たる走行風を減らすことに成功している。