【新聞ウォッチ】新体制「社外取締役7人」起用 ”東芝の悲劇”幕引きには懐疑的

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東芝(参考画像)
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年8月19日付

●バンコク爆発不審な男、当局が公開リュック置き、去る(読売・1面)

●東芝再生社外が主導、新体制経営徹底チェック(読売・2面)

●東芝15年3月期赤字へ、利益2130億円減額(毎日・1面)

●天津爆発1週間、危険薬品ずさん管理、日本企業正常化遠く(毎日・3面)

●軽キャンピングカー人気、低価格・低燃費・低税率、14年3月末3割増(毎日・6面)

●新興国車生産4倍、15年間で需要旺盛先進国抜く(毎日・6面)

●ディーゼル車”環境対応”で快走、減税厳格化で輸入車の1割に(産経・10面)

●立川で火災JR4線停止、青梅線などケーブル燃え停電(東京・1面)

●日本車、ロシアで苦戦、トヨタ極東で製造終了、日産再度の生産調整(日経・11面)

●いすゞが大型路線バス、15年ぶり刷新、設計、高齢者に配慮(日経・11面)

ひとくちコメント

不適切な会計処理で存亡の危機にさらされている東芝が、9月下旬の臨時株主総会後に発足する経営の新体制を発表した。

新体制では経済同友会の代表幹事で三菱ケミカルホールディングス会長の小林喜光氏など7人の社外取締役を起用。また、過去7年分の決算で、新たに568億円の利益の減額があることも明らかにしたという。

室町正志会長兼社長は記者会見で、「創業140年以来の最大の危機的な状況という認識で企業風土の改善に取り組みたい」と述べて、信頼回復に向けて全力投球することを強調した。

ただ、きょうの各紙は信頼回復に向け背水の陣を敷くという新経営陣の選出には懐疑的な見方が多い。このうち、日経は「肝心の取締役会議長の人選は混乱し決まらぬまま。室町正志会長兼社長の続投も暫定的な面が残り万全とはいえない」と指摘。

朝日は「再発防止策で、形は整った。だが、それだけでは不十分という指摘もある」としながら、日本取締役協会の宮内義彦会長の「どんな会社でも、トップが意図して、何かを隠そうとすれば、社外取締役が問題を見つけることはほとんど不可能だ」との講演での話を取り上げた。毎日も同様で「不正を招いた企業風土を抜本から変えられるかどうかが問われる」とも取り上げた。

なるほど、外部による監視を強化するための社外取締役のメンバーには小林氏のほか、資生堂の前田新造相談役、アサヒグループホールディングスの池田弘一相談役といった社長経験者も含まれている。

まるでプロ野球でたとえれば、4番打者を集めた読売ジャイアンツのような人選である。ゴルフにしても中古のドライバーばかりを揃えても” スコアメーク”にはならない。「東芝の悲劇」はなかなか幕引きとはいかないようだ。

《福田俊之》

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