ボルボ・カー・ジャパンが7月23日に日本市場への投入を開始した新世代ディーゼルパワートレイン。190ps/400Nmを発揮する2リットル直4シーケンシャルツインターボディーゼル「D4」と8速AT「ギアトロニック」の組み合わせが示すパフォーマンスは素晴らしく、『S60』『V40』のテストドライブでは、一般道、高速道ともに速度制限の低い日本では動力性能に不足を感じるシーンはまずないように思われた。
今回投入されたモデルの中で、価格的に圧倒的にお買い得なのは、152ps/250Nmを発生する1.5リットルガソリンターボ「T3」との価格差25万円で売られるV40、およびV40クロスカントリーだろう。
欧州では120psの「D2」、150psの「D3」が圧倒的主力で、D4は高付加価値エンジン。V40の場合、ドイツでのガソリンT3+6速ギアトロニックとの価格差は、付加価値税込みで実に6500ユーロ(88.4万円@1ユーロ=136円)にも及ぶ。クロスカントリーのほうはさらに価格差が大きい。それが25万円高、エコカー減税込みだともっと安く手に入るのだ。ドイツのユーザーが“ずるい”と叫びそうなプライスタグとあらば、ディーゼルを選ばない手はないだろう。
S60、『V60』の場合、ガソリンの標準パワートレインがより高スペックな2リットル「T4」(190ps/300Nm)+8速ギアトロニックになるため、D4との価格差は日本ではV40と同じ25万円ながら、現地での価格差はV40のケースよりは縮まり、S60の場合で2450ユーロ(33万3000円@1ユーロ=136円)だが、依然としてお得だ。
クロスオーバーSUV『XC60』は、ディーゼルは全グレードD4+8速ギアトロニックのFWD(前輪駆動)、ガソリンは254ps/360Nmの「T5」+6速ギアトロニックのAWD(4輪駆動)と、同グレード同価格となっている。欧州では各国、仕様がまちまちで直接比較は難しいのだが、基本的にはガソリンAWDが圧倒的に高価。お買い得感でみればガソリン車ということになるだろうが、粘り強い走りや燃費の良さがほしいというカスタマーにとってはディーゼルも魅力的に映ることだろう。