【ホンダ S660 発表】“命の柱”を貫いたインテリア

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ホンダ S660
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ホンダ『S660』は、室内に乗り込んでスタートボタンを押すまでの一連の動作が、スポーツカーでは大事だという思いでデザインされている。

「ドライバーの動きが格好良く見えるようなデザインにしたかった」とは、本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室1スタジオの稲森裕起さんの弁。

そこで、スタートボタンは、ドライバーズシートに座ってもきちんと見えるように、メーターの右側に置かれた。稲森さんは、「かなりこだわった配置だ」という。

また、助手席乗車時に広く感じてもらえるように、インパネ形状を薄くし、柔らかいソフトパットを助手席全面に採用。「助手席の人にも快適にドライブを楽しんでほしい。軽自動車では(全面ソフトパット使用などは)出来ないが、S660は軽とは考えていないので、ここまでこだわった」と稲森さん。

そんな稲森さんが最も苦労したのは、レイアウトだった。「このクルマはスポーツカーなので、エクステリアデザインが格好良くないとユーザーはがっかりしてしまう。そこで、インテリアは出来るだけエクステリアデザインのボリュームを作れるよう、最小限のスペースで作っている」と話す。

その中でクルマの楽しさを伝えるために、空調コントロールからシフトレバーに向かってピラーを通した。しかし、軽自動車のため横幅には制限がある。その中でシートやシフトレバー、サイドブレーキなどのレイアウトをしなければならない。「この部分を作るのが非常に難しかった。現状以上助手席側に(ピラーを)出すと、手が当たって衝突テストでNGなる。内側にしようとしても、ドライバー側のスペースがあるので、切り詰めて切り詰めて、いまのところしかピラーを通せなかった」。更にセンターコンソールにもシフトレバーのメカを入れなければいけないので、「コンソールは世の中で一番細いくらい」(稲森さん)。

「このピラーがコックピット空間を感じるキモだ。これが無くなると普通のクルマに近いようなイメージになってしまうので、みんな“命の柱”と呼んでいる」とこだわりを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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