【ランドローバー ディスカバリースポーツ 試乗】旧来のイメージをくつがえす俊敏さに脱帽…鈴木ケンイチ

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ランドローバー ディスカバリースポーツ
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『ディスカバリー』と聞いて、「質実剛健の道具のようなクロカン4WD」を思い浮かべる人は、少なくないはずだ。そんな人が、新しく追加された『ディスカバリー スポーツ』のハンドルを握れば、腰をぬかさんばかりに驚くことだろう。なぜなら、その新顔は、名前のとおりに“スポーツカー”のように走ってしまうからだ。

2リッター4気筒ターボ・エンジンの最高出力は240馬力。1900kgを超える車重に対して、驚くほどのスペックではない。しかし、組み合わされた9速ATのこまめなシフトアップにより、『ディスカバリー・スポーツ』はスルスルと意外なまでの素早さで速度を上げる。

しかも、アクセルを少々深く踏み込めば、文字通りにブーストのかかったような加速を見せる。そして、少々、オーバースピード目でコーナーに飛び込んでも、左右前輪のブレーキを個別に作動させるトルクベクタリング・バイ・ブレーキが、グイグイとコーナーの奥に鼻先を導く。ロールもわずか。まるでスポーツカーのような俊敏さに呆れてしまうほどであった。

しかし、その驚くべき走りも、ベースモデルが『イヴォーク』であると聞けば、誰もが納得することだろう。よく見てみれば、ディスカバリー スポーツの顔つきはイヴォークそっくり。しかしフォルムは、ディスカバリー スポーツの方が、ルーフが高く、リアが長い。つまりディスカバリー スポーツはイヴォークのリア回りを変更することで、3列シートを可能とする広い室内と荷室を生みだしたのだ。

また、ディスカバリー スポーツは、約60cmもの深さまで渡河できるなど、伝統の高い走破性も備えているという。もちろん、さまざまな路面状況に合わせて車両特性を変化させるテレイン・レスポンスも装備。さらに、ステレオカメラによる衝突被害軽減自動ブレーキや歩行者保護エアバッグなどの先進運転支援装備も採用されている。

ディスカバリーの伝統である高い走破性と優れた居住性を継承しつつ、今どきの俊敏な走りと安全装備が追加されたディスカバリー スポーツ。オンロードが速くて、オフロードもOK、しかも居住性もよくて、安全装備も充実。なんとも欲張りな内容である。この新顔の追加で、ディスカバリー・シリーズの顧客は、さらに幅広いものになることだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

鈴木ケンイチ|モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

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