【ホンダ グレイス 試乗】本当の意味での“使いやすさ”を実感…諸星陽一

試乗記 国産車
ホンダ グレイス EX
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『グレイス』は『フィットハイブリッド』の基本コンポーネンツを用いて作られた4ドアセダン。4440mmの全長に1695mmの全幅を持つ5ナンバーサイズで、110馬力の1.5リットルエンジンと29.5馬力のモーターを組み合わせたパワーユニットが積まれる。

今やベーシックなクルマといえばユーティリティ系の軽自動車かミニバンという時代だが、かつてクルマの基本は5ナンバーのセダンだった。販売台数や人気はさておき、クルマの成り立ちとしては、やはり5ナンバーセダンはクルマの基本。これがきちんとできることは大切なことだ。

グレイスはエンジンとモーターをフロント、駆動用バッテリーをリヤ(トランクルーム下)、燃料タンクをフロントシート下というホンダお得意のセンタータンクレイアウトでパッケージング。言われなければ、ハイブリッドだとわからないパッケージを実現させている。

クルマに乗り込むとコンベンショナルなデザインのインパネデザインが目に入る。ステアリングの正面にメーターがあり、センターコンソールにはナビとエアコン、助手席前はソフトパッドが貼り込まれたダッシュパネルの下にグローブボックスがある。何の説明を受けなくても、どこに何があるか理解できるレイアウトとデザインは安心感がある。

システムを起動させ、ATセレクターをDに入れて走り出す。最初はEVモードで走り出し、やがてエンジンが始動、ハイブリッド状態で走ることになる。グレイスはフィットハイブリット同様にデュアルクラッチ式のミッションを採用するので、トルクの伝わり方がダイレクトで気持ちのいい走りが可能だ。

アクセルを踏むとしっかりした力感のある加速で、スポーティな印象。見た目はおとなしい4ドアセダンだが、走りのフィーリングは気持ちよく、さすがホンダの作るクルマという印象。さらにSモードを選べば、エンジンを優先したスポーティな走りになり、ハイブリッドはつまらないというような先入観が間違いであることに気づかされる。

試乗した最上級のEXは、デュアルクラッチのミッションをステアリングに取り付けられたパドルシフトでマニュアル操作が可能。さらにシーケンシャルライクではなく、本物のシーケンシャルシフトを味わえる。

足まわりの動きはよく、しっかりとストロークしつつグリップするタイプの味付け。5ナンバーのセダンとしては上級の部類に入るだろう。とくに普段使いの乗り心地を重視したセッティングで、細かい振動などを上手に除去している。大きな入力に対しては若干のダンピング不足を感じることもあるが、そこは許容できるレベル。

ハイブリッドモデルでありながら、トランクは430リットルの大容量を確保。ゴルフのキャディバッグ3個を積むことも可能。トランクスルー機構も備え、トランク側からレバーで拡大することができる。いろいろな意味で、バランスが取れているのがグレイス。本当の意味での使いやすさを感じることができた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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