名作あり異色作もあり、自動車から戦車・航空機まで、エンジン開発の背景と思想

ユンカース・ユモ207エンジン
  • ユンカース・ユモ207エンジン
  • ヘロンのタービン
  • ライト兄弟が使用したエンジン
  • メッサーシュミットMe163コメートのエンジン、ヴァルター109-509A
  • メッサーシュミットMe163コメート
  • 『名作・迷作エンジン図鑑<増補改訂>』

グランプリ出版はこのほど、自動車をはじめ多様な分野のエンジンをイラストとともに解説した書籍『名作・迷作エンジン図鑑』<増補改訂>を刊行した。著者は、自動車メーカーで長年エンジン開発に携わり、日本自動車殿堂入りも果たした工学博士・鈴木孝氏。

本書では、自動車用のみならず、航空機用、舶用、戦車用、機関車用、産業用、汎用など、世界各地で開発された59基のエンジンを収録。ヨーロッパ、アメリカ、日本の博物館に自ら足を運び、誕生の経緯や技術的背景を調査した成果を、平易な文章と自筆のイラストで紹介している。

掲載されているエンジンには、名作とされるものだけでなく、一見迷作とも思われる特徴的な設計の機種も含まれており、それぞれの背景や技術的意図も丁寧に読み解かれている。

今回発行されたのは、2013年の初版と2017年の姉妹書『古今東西エンジン図鑑』を統合し、大幅な増補とともにカバーデザインも刷新された増補改訂版だ。掲載エンジンを大幅に拡充したほか、参考文献や図版番号の再整理、エンジン種別ごとの「ツメ」追加、PUR製本による開きやすさの改善など、読者の利便性も高められている。ページ数の増加に伴い、厚みは約2倍となった。

本書の起点は、鈴木氏がかつてコモテック社の社報に連載した「エンジンのペルソナ」であり、それがグランプリ出版編集者の目に止まり書籍化されたという経緯がある。

鈴木氏は生前、「新たな技術を生み出すには、過去の道を知ることが重要だ」と語っていた。本書はまさにその精神を具現化する一冊であり、技術者や学生、そしてエンジンに関心のあるすべての読者に向けた、知的好奇心を満たす格好の資料となっている。

メッサーシュミットMe163コメートメッサーシュミットMe163コメート

名作・迷作エンジン図鑑』<増補改訂>
著者:工学博士 鈴木孝
発行:グランプリ出版
体裁:A5判・並製(PUR製本)
定価:4180円(本体価格3800円+消費税10%)

目次
■草創期
■産業用
■自動車用
■航空用
■舶用
■戦車用
■機関車用
■汎用

『名作・迷作エンジン図鑑<増補改訂>』『名作・迷作エンジン図鑑<増補改訂>』

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《高木啓》

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