震災不通の山田線宮古~釜石間、三鉄移管に向け合意書締結

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「運転見合わせ」の紙が貼られている山田線の発車案内掲示器。同線の三陸鉄道への運行移管を条件とした復旧工事が3月から始まる。
  • 「運転見合わせ」の紙が貼られている山田線の発車案内掲示器。同線の三陸鉄道への運行移管を条件とした復旧工事が3月から始まる。
  • JR東日本は三陸鉄道の南リアス線・北リアス線と同水準の仕様で山田線の施設を復旧し、自治体に無償譲渡する。写真は南リアス線の線路。
JR東日本と岩手県、宮古市、山田町、大槌町、釜石市、三陸鉄道は2月6日、東日本大震災で不通となっている山田線宮古(岩手県宮古市)~釜石(釜石市)間55.4kmの復旧工事と三陸鉄道への運行移管について、基本合意書と覚書を締結したと発表した。3月7日に着工式を行う。

山田線は、岩手県内の盛岡(盛岡市)~宮古~釜石間157.5kmを結ぶ、JR東日本の鉄道路線。このうち三陸海岸沿いの宮古~釜石間が震災による津波で路盤が流失するなど甚大な被害を受け、現在も不通となっている。

JR東日本は当初、バス高速輸送システム(BRT)の導入による再開案を示したが、鉄道による早期再開を求める沿線自治体が難色を示していた。このためJR東日本は、三陸鉄道への運行移管を条件とした鉄道復旧案を提示。岩手県や沿線自治体も同年12月の協議で三陸鉄道への移管を受け入れることを正式に決めた。

JR東日本が発表した基本合意書と覚書の概要によると、山田線の復旧工事はJR東日本が実施。レールや枕木など一部の施設は、三陸鉄道が現在運営している南リアス線・北リアス線と同程度の水準まで強化する。原状復旧費用はJR東日本が負担するが、復興事業などに伴い増加する分の費用は関係自治体などが負担する。

復旧した施設と土地は、JR東日本が関係自治体に無償で譲渡する。車両については運行上必要となる8両をJR東日本が新造、または新造車8両に相当する金銭を自治体に無償で提供する。また、JR東日本は30億円を「移管協力金」として関係自治体に提供する。

このほか、JR東日本は検修設備なども整備。これにより山田線の経営を引き継ぐ三陸鉄道の運営効率化に協力する。このほか、JR東日本は三陸鉄道からの要請があれば人的支援も行う。

復旧工事の着工式は3月7日、宮古駅周辺で行われる予定だ。
《草町義和》

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