4代目『ロードスター』プロトタイプモデルは、初代ロードスターへの原点回帰ともいえる等身大のライトウエイトスポーツカーだった。デザインはマツダの最新のデザインの流れを汲む「魂動」デザインで超モダン。エンジンは、開発目標値として表記されているパワースペックによれば、1.5リットルの直噴ガソリンエンジン「SKYCATIV-G」で、最高出力131ps/7000rpm、最大トルク150Nm/4800rpmを発揮する。組み合わされるミッションは6速マニュアルトランスミッションとなっている。カッコいいデザインに1500ccのエンジンではアンバランスじゃないか? と思う人も少なくないだろうが、いざ試乗してみると、ちゃんと整合している。デザインは一見するととてもスタイリッシュで、いかにも本格派スポーツカーだが、人とのサイズ感が絶妙で、アンバランスで滑稽になる寸前のギリギリのバランス感がある。それがかっこよさだけでなく親しみを感じさせてくれる。エンジンは『アクセラ』の1.5リットルを強化してレブリミットを500回転アップし7500回転に。やや大柄なアクセラでは印象が強くないが1000kg(公表値)のボディと組み合わされると気持ちよい速さと力強さがちゃんとある。そして走らせてみるとサスペンションは思った以上にしなやかで、ストロークを大きくとった…つまりロールが大きくでるセッティングになっている。カキッ、バキッ! と曲がるのではなく、しんなりスムーズに曲がってくれる。速く走ることを強いるようなところがなく、ドライバーの気分と技量に応じて、いつでも楽しく、心地よく走れるような味付けになっている。だから風の匂いを楽しむようなのんびりしたドライブでは、しんなりした乗り味のサスペンションが穏やかで心地よい気分をアシストしてくれるし、スポーツドライビングを試みれば、持って生まれた重量バランスの良さを生かして、サスペンションを目いっぱいロールさせながら、刺激的なコーナリングを楽しませてくれる。さらにドリフトさせてもクルマの動きが穏やかなので、コントロール性がよく自由自在に振り回せる。間口が広く奥行きもある、まさしく初代ロードスターのテイストを備えているのだ。それを今の技術で作り直すとこうなる、といわんばかりの仕上がりなのだ。まだプロトタイプということだが、ほとんど完成形といっていいくらいの仕上がりになっている。期待して待つべし。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★斎藤聡|モータージャーナリスト特に自動車の運転に関する技術、操縦性に関する分析を得意とする。平たくいうと、クルマを運転することの面白さ、楽しさを多くの人に伝え、共有したいと考えている。そうした視点に立った試乗インプレッション等を雑誌及びWEB媒体に寄稿。クルマと路面との接点であるタイヤにも興味をもっており、タイヤに関する試乗レポートも得意。また、安全運転の啓蒙や普及の重要性を痛感し、各種セーフティドライビングスクールのインストラクターも行っている。
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