「東京オートサロン2015」で東洋ゴム工業は、クールで先進的なイメージを前面に押し出すブースを構えた。ブースコンセプトは、「JAPAN ADVANCE TECHNOLOGY」。近未来都市をイメージし、同社の主力商品『TRANPATH』、『PROXES』シリーズやコンセプトタイヤを展示する。
中でも注目は2つの新製品「PROXES CF2」と「PROXES CF2 SUV」、並びに2つのコンセプトタイヤ「PROXES Sport CONCEPT」と「TOYO H20 PROTOTYPE」である。
「PROXES CF2」は、従来からあった「TRANPATH Lu II」の設計思想を反映したタイヤでVW『ゴルフ』など海外のプレミアム・コンパクトを対象にした製品。一方の「PROXES CF2 SUV」はSUVの名の通り、トヨタ『ハリアー』やBMW『X3』などをターゲットにしている。
もともと「TRANPATH Lu II」はトヨタ『アルファード』などの大型のミニバン向けに開発された経緯があり、トレッドの縦のライン(リブ)が太めに作られているのが特徴。これは、大きな荷重がかかるヘビー級のミニバンでもリブを太くすることで、しっかりとした操作感と剛性感を生み出す狙いがあり、今回出品した2つのタイヤも同様の考えで開発された。
東洋ゴム工業 タイヤ事業本部 企画・販促グループの古口敦規氏は「クルマの重さを支えるのはハガキ1枚分の大きさしかなく、リブが細いと、圧がかかった際にタイヤがよれて踏ん張れない。輸入車はコンパクトでも馬力があるので、リブを太くし、ブロックの1つ1つも大きくすることで大パワーに耐えうる構造とした」と述べた。
一方、トヨタ『86』に装着されている「PROXES Sport CONCEPT」はトレッドパターンがかなりエッジの効いた“攻めた”形状をしている。こちらはあくまでコンセプトのようで、TOYOブランドのかっこよさをアピールする狙いのコンセプトタイヤだという。
それに対し「TOYO H20 PROTOTYPE」はかなり現実性の高い。ターゲットは『ハイエース』などの1BOXカーで、参考出品だが販売する方向で検討していると古口氏は言う。
最大の特徴は18インチを採用している点だ。1BOXカー向けの18インチというのは、ホイールは少しずつ登場してきてはいるが、タイヤは市場にはあまり存在しない。TOYOはこのタイヤで18インチの需要を掘り起こしていくという。1BOX乗りにはかなり注目度の高いタイヤとなっている。