コンチネンタル、LEDヘッドライト用制御ECUを全車両クラス向けに開発供給

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メルセデスベンツ用に供給中にLEDヘッドライトのECU
  • メルセデスベンツ用に供給中にLEDヘッドライトのECU
  • ローエンドクラスのLEDヘッドライトECUも開発済み
  • 説明を行ったコンチネンタルのライトコントロールユニットシステム開発リーダーのマクシミリアン・アウステラー氏
  • コンチネンタルのLEDヘッドライトECUの説明会
  • コンチネンタルでえは2016年にもLEDがキセノンをシェアで上回ると予測する
  • LEDは設計の自由度が高く、省エネで安全、そしてゼロメンテナンスで優位性が高い。さらにスマートライト機能の導入など将来性が見込める
  • LEDにはヘッドライトとして多彩な機能が備えることが可能
  • 防眩ハイビームの動作概念図。ハイビームのままでも対向車に対してのみ眩しさを与えない

コンチネンタルは、12月に開催された技術説明会で、全車両向けにLEDヘッドライト用の制御システム(ライトコントロールユニット)を開発し、全車両クラスへの供給体制を整えたことを発表した。

現在、世界的にLEDをヘッドライトに採用する車種が急速に増えている。それは、光源が太陽光に近いために自然な光源として安全上でもメリットを生み出し、しかも消費電力が少なく、長寿命でもある。また、設計の自由度が高いために、ボディデザインにマッチしやすいという特徴も持つことが評価されているからだ。

とはいえ、現時点ではコストの関係もあって、LEDヘッドライトはおおよそDセグメント車以上の車両に搭載されているにとどまる(日本では軽乗用車にも搭載)。しかし、近い将来はローエンドの車両にも幅広くLEDが採用されていくことも想定される。コンチネンタルはそうした時代を見据え、いち早くLED用のライトコントロールユニットを全車両クラスに対応できる供給体制を整えたというわけだ。

コンチネンタルのライトコントロールユニットシステム開発でリーダーを務めるマクシミリアン・アウステラー氏は、「ハロゲンは価格面での優位性があるため、下降線をたどりながらも一定のシェアを維持するが、一方でキセノンは数年後に間違いなくLEDに取って代わられる」と今後の需要を予測。とくに「キセノンは高電圧であるために単価を下げることが難しく、これはLEDの優位性につながる」とする。

さらにアウステラー氏は、「LEDが持つ“多彩な機能”を踏まえると、今後の成長性を見込めるのはLEDだけ。そのために、すべての車種に対応できるLEDの制御システムの開発が必要と考えた(アウステラー氏)」と、今回発表した供給体制の意義を述べた。

この“多彩な機能”とは、LEDのマルチ光源がもたらす『スマートヘッドライト機能』のことだ。市街地では歩行者や物などに光を当てて浮かび上がらせ、悪天候時や真っ暗な夜道では視界を高めるための配光を行うことができる。また、常にハイビームとしながら対向車のみに防眩効果を発揮する“防眩ハイビーム”にも発展させることもLEDなら可能だ。また、アウステラー氏によれば、カーナビや道路施設と連携して最適な照射を自動的に行う「予測ライト機能」の実用化領域に入っているという。

ただ、これらはすべてLEDのマルチ光源によって実現できるもので、そのためには高度なライトコントロールユニットが欠かせない。コンチネンタルはそのために、車載カメラが状況を自動認識して内部のステッパーモーターがエレメントを動かす「アダプティブ・ライト・コントロールユニット」を開発。コンチネンタルではこのユニットを、今後OEM先の仕様に応じて搭載を進めていく計画だという。

《会田肇》

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