決して輸入車びいきではないが、昨年に続き輸入車に最高点を与えた。メルセデスベンツ『Cクラス』は世界のDセグメントの新しい基準となる超完成度に衝撃を受けた。
上位クラスを脅かすほどの内外装の質感、存在感、とくにもっともベーシックなC180(非AMGライン)のアジリティとしっとりした上質極まる乗り心地の両立は感動モノである。クリーンディーゼルやPHVが控えている点も評価を後押しした。
『i3』は生産から貫かれるエココンシャスなクルマ造りの思想、そしてデザイン、走りともに未来感覚あふれつつ、EV、レンジエクステンダーの両方を選べるところに、今手に入れられる未来を感じた。
日本車では『デミオ』が突出している。1.5リットルのディーゼルエンジンはもう少し”らしい”トルクが欲しい気もするが、内外装の質感の高さ、欧州コンパクトに肩を並べる乗り味、足回りの素晴らしさは国産コンパクト最上だと思える。
部門賞のスモールモビリティでは軽自動車初のJ-NCAP5スターを獲得した『N-WGN』と『ハスラー』が印象的だった。まさに軽自動車に躊躇していたダウンサイザーへの”回答"と言える2台だろう。そのほか、MINIは伝統的なゴーカート的乗り味を残しつつ、MINI史上最上の上級サルーンに迫る乗り心地を獲得。デザインを含め、エモーショナル部門賞に相応しい1台だ。
メルセデスベンツ『Cクラスセダン』:10点
BMW『i3』:6点
マツダ『デミオ』:5点
スバル『レヴォーグ』:2点
プジョー『308』:2点
青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。