【Gamin VIRB-J インプレ】楽しみ方自在、サイクリスト注目のGPSアクションカム…津々見友彦

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濃いグレーのボディが「VIRB J」、白いボディは「VIRB J Elite」。この白いボディは正直、汚れやすい。
  • 濃いグレーのボディが「VIRB J」、白いボディは「VIRB J Elite」。この白いボディは正直、汚れやすい。
  • バイク・自転車用のマウント。バーの太さに応じたマウントキットが用意されている
  • GoProとのサイズ比較。多機能だけあってVIRBのほうが若干大きく重い。
  • クレードルは爪がかっちり固定が可能。下部の横にある中央に押し込めばリリースできる
  • Garminのサイクルコンピュータ「Edge 705」とのサイズ比較
  • PC/Macに対応する専用の動画編集ソフト「VIRB EDIT」。
  • バッテリーを外すとmicroSDカードのロットが現れる。
  • GARMINのEDGE510JとVIRB-J

ポータブルGPSやサイクルコンピューターの老舗、GARMIN(ガーミン)が送り出した初のアクションカメラが『VIRB-J』シリーズだ。“J”は日本語対応を意味し、日本語で表示されるのでストレスがない。VIRBには、ベーシックな“VIRB-J”と“VIRB-J Elite”があり、それぞれ、3.5万円、4.08万円(税別)だが、私は少々高くても“VIRB-J Elite”をお勧めする。

◆サイクリストのためのGPSとカメラの融合(VIRB-J Elite)

GPSの経験豊富なガーミンならではの製品だ。サイクリストは自分の走行軌跡とその時の思い出の画像も欲しい。その両方を満たしてくれるのが“VIRB-J Elite”で、“VIRB-J”には肝心な“GPS”機能がない。お勧めはこの“Elite”モデルだ。

ボディは他のアクションカメラに比較して大きく約177gと重め。だが、1.4インチのディスプレイも装備し、しかも防水ボディだ。(水中撮影は別途専用ハウジングが必要)。更に感心するのは手袋をはめていても操作性の良い大型のスイッチ類。これは長年のサイクル用GPSコンピューターからのノウハウが生かされている。

記録媒体はmicroSDカードで、バッテリーの下に寝かせてセットし、小さな上蓋でロック。はじめはこの作法に戸惑うが、慣れると簡単だ。

◆バイク用のマウントは充実、豊富な撮影設定

プラスチック製で頑丈なハンドルマウントはしっかり出来ていて、簡単にガッチリ取り付けられる。もっとも一部ねじ同士が干渉しやや締めづらい点もあるものの、カメラはワンタッチで取り外せ、ツーリング先で食事するときなども便利。このあたりも経験豊富なガーミンらしい。

ビデオは1080ピクセルのフルハイビジョンでも撮影可能。基本はワイド「4:3」画像、「スローモーション」「エコノミーHD」など7つのモードで動画が撮影できる。

アクションカメラのセオリーとして、基本はワイドな視野角だが、3段階のズームがあり、アウトドアのシーンで満足する視野角が探せる。

画質は静止画では不満のないものだが、動画では少し気になるのは振動があると画像がぐにゃぐにゃと揺らぐ、“こんにゃく現象(ローリングシャッター現象)”がある点だ。これはLooxcieその他の小型ビデオカメラなどでも出ている現象。手振れ防止をONにしたが変わらなかった。恐らくイメージセンサーがCMOSなので、そのあたりの処理の関係と思われる。どうしても気になるようであれば、動画編集ソフトなどで後処理するという方法もある。

静止画では「16MP(4:3)」「12MP(16:9)」「8MP(4:3)」のサイズが選べ、連写モードやセルフタイマーモードでインターバル撮影もできる。また動画の撮影中に静止画も撮影でき、これは便利だ。

◆ロングライドの記録に嬉しい“タイムラプス”

VIRB-Jには、私のガジェットの先生、川崎氏が編み出したインターバル撮影の静止画を動画的に再現する“タイムラプス”が簡単に出来る。これは動画モードの中にある。今回は5秒おきに静止画を撮影した。5時間程度のロングツーリングの記録をパラパラ動画にすると、数分で見る事が出来、更にはGPS情報で、軌跡なども画面に表示できるのが楽しい。

ただし、バッテリーのもちは3時間程度なので、スペアバッテリーと交換が必要になるが、簡単に交換できるのも便利だ。

動画を編集するソフトはWindows/Mac両対応で、パソコンで編集が出来る。基本的には動画がメインなのだがタイムラプスの静止画集もあたかも動画のようにまとめてくれるのだ。

タイトルや音楽、更にGPSの軌跡、そして上下Gと左右G(重力加速度)の表示も選べ楽しい。なお、GPS機能の無いVIRB-Jでも、別のGPSデータがあれば、このソフトで統合し、軌跡の表示も可能だ。

編集中は動画と地図上の行軌跡、更にスピード、上下、左右G(加速度)等が同一画面で見られるので嬉しい。ロングツーリングなどの頑張った峠道や、快適な下り坂など思い出をたっぷり楽しめる。

まさに私が欲しい仕様でこれぞGARMINの醍醐味だ。

ただし…これは個人で楽しみ場合だ。ツーリング仲間にインターネットで公開しようとすると残念ながら地図表示ができない。軌跡やスピード、Gなどは表示されるのだが地図が出ないのだ。場所がわかるサーキットなどなら、これで充分だが、ツーリングなどでは辛い。ちょっとこのあたり不満だ。是非公開しても地図上に軌跡を載せて欲しい。こうしたデータの収集と記録により、自転車をはじめとする乗り物、アクティビティの楽しみはさらに広がることだろう。

通常動画とタイムラプス動画を並べて比較してみた。上が通常動画、下がタイムラプス動画だ。



なお、動画には各種のデータを差し込める。多くのテンプレートが用意されているが、今回の場合動画では、左下が速度、高度、方位、経過時間、距離、右下が経路。タイムラプスでは、左上にあるのが速度/高度/左右/上下の重力(G)のグラフ、右上が経路のテンプレートを使用した。

《津々見友彦》

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