【人とくるまのテクノロジー14】同じ音声入力でも「先を見据える」クラリオン

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改良版「インテリジェントボイス」を搭載するクラリオン「NX714」
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クラリオンは、日立グループの展示コーナーの一角で5月に発表したばかりの新型ナビ『NX714』を披露した。本機の最大の特長は、自然対話型音声認識「インテリジェントボイス」。この機能自体は昨年モデルの『NX713』でも搭載されていたが、NX714ではさらに機能が強化され、Googleローカル検索に加えて新たに「グルメ検索」を採用した。

このグルメ検索はイナゴの自然会話によるインタラクティブな自動応答を提供するプラットフォーム・テクノロジー「netpeople」を利用している。「和食が食べたい」「2000円以下の店」「デートで使える」など、目的に応じて検索候補を出すことができ、施設詳細の画面では「電話する」と発話すれば、携帯電話のハンズフリー機能を使って店に発信ができる。

クラリオンのマーケティング部担当部長の宮澤浩久氏にグルメ検索採用の理由、イナゴと協業してグルメ検索を搭載した理由について「ドライブの出先でナビをよく使うのはレストランを探すとき。まずはグルメに絞って自然会話による検索機能を実装したかった」とのこと。

「イナゴには『mia』という音声対話アプリケーションがあるが、当社は今後を見据えてクラウドで全部やりたかった。なので、クラウドAPIがあることが条件。今回のインテリジェントボイスではnetpeopleのエンジンを使っているが、アプリケーションは自社で開発している。音声コミュニケーションは今後カーインフォテインメントにおいて非常に重要な技術。新しい技術が出てきたときに柔軟に対応できるよう、将来を見据えて設計している」(宮澤氏)という。

またマイクから拾われた音声はローカルでノイズ処理などの特別な変換はおこなわず、データ圧縮のみをおこなってBluetoothのSPP(Serial Port Profile)を介してスマートホンよりクラウドサーバに上げている。Wi-Fiなど帯域の広い通信を採用せずにBluetooth1本にした理由は何か。

「Bluetoothはカーナビのハンズフリー機能として定着しており、これに加えて他の通信方式をユーザーに設定させるのはハードルが高い。Bluetoothのペアリングだけで音楽もハンズフリーも音声入力も可能とすることで利用者の利便を図った。音声データは圧縮して送信し、またインテリジェントボイスの画面はHTML5で描かれているため、サーバとやりとりするデータサイズはかなり小さい」という。

なお、クラリオンでは旧型のNX713でもアップデートすることで、NX714と同様にグルメ検索が利用できるようにするとのこと。ただし、NX714に新設された音声入力用のハードキーがNX713にはないため、利便性を確保するために画面内に音声入力用のボタンが置かれるという。

《北島友和》

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