【三菱 eKスペース 発売】ユーティリティ満載のモアスペース軽 最新モデル、ファミリーでの使い勝手は?

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前席ドアの開口角度は85度とほぼ直角。後部のスライドドアも開口幅580mmと、乗降性は上々だ。
  • 前席ドアの開口角度は85度とほぼ直角。後部のスライドドアも開口幅580mmと、乗降性は上々だ。
  • 三菱・eKスペース
  • モアスペース軽の最新モデル、三菱のeKスペースは、助手席シートバックテーブルなどファミリーに嬉しい機能が数多く装備されている
  • モアスペース軽は多くのモデルが後部座席のロングスライド機構を持つ。これを活用すれば乗員の体格に合わせた居住空間を実現できる
  • 高い全高を活かして120cmくらいまでの子どもであれば車内での着替えもラクラクだ。
  • eKスペース/DAYZルークスにはリアサーキュレーターが装備される。汗っかきの子どもにとってはありがたい装備
  • マルチアラウンドモニターで駐車の苦手な人でも自車位置を把握しやすい
  • 三菱・eKスペース

ダイハツ『タント』、スズキ『スペーシア』 、ホンダ『N-BOX』。これらはいずれも全高を1700mm~1800mmに設定する背高ワゴンで、ボディ後部にスライドドアを装備しているのが特徴だ。このグループに、満を持して投入されたのが三菱の『eKスペース』である。

これらスーパーハイトな軽乗用車は、主に小さな子供を持つファミリー向けのユーティリティモデルと言える。eKスペースも、家族が車で過ごす時間の快適性や利便性を徹底的にサポートするために数々の機能を盛り込んだという。今回はトップグレードの「カスタムT」を持ち出して、その使い勝手にフォーカスしてみた。

家族全員がゆったりできる車内空間

室内に乗り込んでみてまず驚くのは、その広々とした空間。今や軽スーパーハイトワゴン(モアスペース)はどれも目一杯に近い室内空間を競っているが、eKスペースはクラストップの室内高(1400mm)と室内長(2235mm)を実現したとあって、開放感はかなりのものだ。電動スライドドアを開けて後席に乗り込む。モデルとなってくれた女性は身長160cmだが、ほんの少し頭をかがめるだけで楽々と室内に入ることができた。後席は軽自動車最長260mmのシートスライドがあるから、大柄の男性でも足を組んで座ることすらできる。小学校高学年位までなら、立ったままでも着替えができる余裕の空間だ。

この後席スライドシートは左右分割式。左側にチャイルドシートを装着した場合、最も前方にスライドさせれば、ママが前席に座ったまま振り返るだけで子供の世話もできる。これは結構使い勝手が良い。子供がぐずったり食べ物を落としたりした時、信号待ちなどでさっと対処できるのだ。後席の着座位置はフロント側よりも60mm高く、視界が開けるのも気分が良い。

◆隅々まで快適に…リアサーキュレーター

天井には軽自動車では初となるリアサーキュレーターが装着された。簡単に言えば、エアコンの空気を後席に届ける循環ファンだ。室内容積が大きなスーパーハイトワゴンは広々としているが、そのかわり後席が暑かったり寒かったりと、なかなか適正な室温になりにくいという弱点をカバーするもの。

試乗した日はポカポカ陽気で、室内の気温も上昇。早速リアサーキュレーターのスイッチをオンにしてみると、それまで暑さで顔が火照っていた後席が数分で快適に。これからの夏場を考えてみても、これなら子供を安心して後席に乗せることができるだろう。風向きは上下左右に調整でき、風量は3段の切換えが可能。メーカーでは、後席のために冷房の風量・温度をそれぞれ必要以上に上げ下げする必要がなく、静粛性や燃費性能にも貢献するとうたっているが、確かにそれは感じられた。子どもは汗っかきなだけに、リアサーキュレーターは想像以上に実用的な装備だ。

さらに、このスペースを利用してオーバーヘッドコンソールも装備。サングラスのほか、ウエットティッシュなどの小物が入れられるので便利だ。リアシートのサイドウィンドウにはロールサンシェードも装着されている。プライバシーガラスとあわせて、遮光効果とプライバシーを確保するものだが、リヤサーキュレーターとの同時使用で、夏場での後席の快適性は一層良くなるはずである。

◆定番機能にも細やかな心配り

助手席シートバックテーブルは、文字通り助手席背面に設けられた折りたたみ式テーブル。最近では軽ハイトワゴンの標準装備になりつつあるあるが、eKスペースのカップホルダーは、両側に取っ手の付いた乳幼児用マグも入る形になっている。これは小さな子供を持つママにとって、かなりありがたい装備。今までありそうでなかったきめ細やかな配慮だ。テーブルの側面を見ると、買い物袋などが掛けられるコンビニフック。子供用におしぼりを入れてもいいし、ゴミ入れとして使ってもいいだろう。

もうひとつ、eKスペース独自の装備として、前後引き出し式の助手席アンダートレイがある。例えば、子供が後席で着替えた衣類や靴などを収納し、前席から取り出すことができるというもの。トレイの端を少し上げて引き出す方式なので、ストップ&ゴーで不意にスライドすることもない。深さもある程度確保されているので、玩具入れ、タオル収納等と、使い方はアイデア次第だ。

◆安全面でのフォローも

ドライバー視点での便利な装備は、マルチアラウンドモニターだ(カスタム G/Tにメーカーオプション)。これは、4台のカメラを使って、フロント、リア、サイド、さらに車を上空から見たような「バードアイビュー」をルームミラー内のディスプレイに表示して駐車などの運転をサポートするもの。ルーミーで視界の良い車ではあるが、スーパーや公園などの駐車場にバックで入れるのが苦手なママも多い。このモニターはそれをうまくフォローしてくれる。最初は少し戸惑ったが、30分も出し入れを練習すると慣れた。目視が基本だが、特に後方の安全確認には便利だ。

最新スーパーハイト軽モデルが持つ機能の一部を見てきたが、子供を持つファミリーへの細かな配慮が実感できた。このようにユーティリティにウエイトを置いたモデルだが、ターボモデルは動力性能のみならずハンドリングもハイレベルだ。なかなか良い走りをすることも付け加えておきたい。

《嶽宮 三郎》

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