鈴鹿サーキットが年に1度開催する恒例行事「モータースポーツファン感謝デー」が3月1日、2日の二日間、行われた。無料で入場できるイベントでありながらそこで繰り広げられたプログラムは豪華そのもの。全ては紹介できないがいくつかをダイジェストで紹介しよう。
このイベントでモータースポーツファンにとって最もスペシャルな企画だったといえるのは、「D1エクスペリエンス」だろう。希望者から抽選で選ばれた人がプロドライバーの運転するD1マシンの助手席に乗り、しかも鈴鹿の国際コースを走れるという夢の企画だ。1人につきわずか1週ではあったものの、迫力のハイスピードドリフトを堪能できたに違いない。
ホンダがF1で初勝利を上げた記念すべき名車『RA272』の展示とデモ走行も見どころのひとつ。特に今回のデモ走行では昨年のスーパーフォーミュラチャンピオンの山本尚貴選手がドライブするとあって、ひときわ注目度が高かった。山本選手はこれがF1マシンの初体験になるのだという。RA272は走行時以外はピットに展示されて間近で見学できるようになっており、熱心なファンに途切れること無く囲まれていた。
ホンダといえば『NSX』の歴史も忘れることはできない、というわけで、歴代NSXのSUPER GTマシン3台によるデモ走行も行われた。集まったのは1995年にル・マンGT2クラスで優勝した『NSX GT2』、2000年にJGTC GT500クラスで年間チャンピオンに輝いた『カストロール無限NSX』そして、今シーズン参戦する『NSX CONCEPT-GT』の3台。
そして、今や鈴鹿のファン感謝デーの名物企画となっているのが、日本モータースポーツ界の生きる伝説、中島悟氏と星野一義氏のガチンコバトルだ。今年ですでに5回目となるこの勝負、今回はそれぞれが率いる自らのチームの昨シーズンのマシンSF13で行われた。これまでに使用された中でもっとも新しいマシンであり、しかも自らのチームを背負っての走りとなれば、いつも以上にガチンコなのは間違いない。3月1日の勝負では星野一義氏が勝利した。