コンパクトなSUVとして人気の『ジューク』に、「NISMO(ニスモ)」が味付けしたスペシャルなモデル『ジューク NISMO』に試乗した。
日産のホームページでカーラインアップのページに進むと、「コンパクトカー」「軽自動車」などというカテゴリー分けが行われているが、ジュークが属するSUVは「スポーツ&スペシャリティ/SUV」というカテゴリーが割り振られて、『GT-R』や『フェアレディZ』と同じカテゴリーにまとめられている。つまり、ドライビングを楽しむクルマとして同一視されているというわけ。SUVはかつてのクロカン4WDのように土や泥のイメージはない。
ジュークは1.5リットルが114馬力で標準タイプ。その上に190馬力の1.6リットルターボがあり、ニスモバージョンは1.6リットルターボをベースに200馬力にまでエンジンパワーをアップした仕様。この200馬力のエンジンはかなりエキサイティングなセッティングとなっていた。
いかにもターボエンジンらしい盛り上がり感にあふれるトルクカーブは、ドライバーの身体をシートに押しつけながら強力な加速を味わわせてくれる。アクセルペダルを踏み込めば踏み込んだだけ、いやそれ以上の加速が待っている。速度はあっという間に上がり、アクセルペダルをゆるめることを強いられる。
ハンドリングはスポーティな味付けでステアリングレスポンスもいい。とくに切り始めのクイックな感覚は走らせることそのものを楽しませてくれる。ステアリングに伝わってくるインフォメーションもしっかりしていて、クルマを手中に収めている感覚を味わえる。車高の高いわりにコーナリング中のロールはよく抑えられていてSUVを運転していることを忘れてしまう。
横Gがたまるような回り込んだコーナーでも、横滑り防止のデバイスなどが適正に働きクルマを安定させる。介入感は少なく、素直な動きなので不快感もない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。