【マツダ アクセラ試乗】高い完成度ながら足まわりにさらなる熟成の余地…井元康一郎

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マツダ アクセラスポーツ 15S
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昨年11月に第3世代モデルに切り替わったマツダの世界戦略車『アクセラ』。5ドアハッチバック「スポーツ」の1.5リットル+6速MT、2リットル+6速AT、セダンのハイブリッドの3車種に横浜港湾地区で試乗する機会があった。


◆パワーはミニマムなれど…

最初に乗ったのは1.5リットル+6速MTのベーシックグレード。1.5リットルはマツダの新世代環境技術「スカイアクティブテクノロジー」を基盤とする新作。組み合わせられる6速MTも海外版「CX-5」から展開が始まった新世代品である。

1.5リットルエンジンのスペックは最高出力114馬力、最大トルク14.7kgmと、このクラスとしてはごく標準的なレベル。自重1240kgというCセグメントのボディを走らせるのにはミニマムに近いキャパシティである。

数値的には大して面白みのないエンジンだが、キャラクター的には興味深いものがあった。首都高速道路への流入路や追い越しなどで幾度か全開加速を試してみたが、体感的にはスロットルワークへの追従性が十分に得られる1200rpmからレッドライン近くの6000rpmまで非常にフラット。

回転が上昇するにつれてパワーがわき上がるといったドラマ性はなく、どちらかと言うとのっぺりとした感じで、欧州車で昨今流行しているダウンサイジングターボの実用車向けエンジンにとても良く似たフィーリングだ。エンジン本体や補機類からの耳障りな共振音の抑えこみは良好で、エンジン音は高回転まで回してもまろやか。パワーが必要な時には遠慮なく回転を上げればよいという“仕事人”ぶりに徹したパワーユニットは、それはそれで結構楽しいものだ。


◆シフトの節度感や静粛性に好感

一方、6速MTの感触はスポーティかつ高品位なものであった。シフトストロークは非常に短く、手首を返すだけでシフトチェンジが決まる。エンジニアにたずねたところ、ストローク量はスポーティカーの『ロードスター』より5mmプラスの45mmとのこと。またシンクロギアの容量にかなり余裕があるとみえて、ギアを2速から4速へと飛ばすなど回転差が大きくなる場合も変な引っ掛かりはない。それでいて手応えが頼りないわけでもなく、クリック感はきっちり残されていた。ギア比は思ったより変速ステップが狭く、“燃費スペシャル”でないところに好感が持てる。6速80km/h巡航時のエンジン回転数は2000rpmで、100km/h巡航に換算すると2500rpm。

この6速MTをパワーのある2リットルエンジンと組み合わせれば面白いのにと思っていたが、先ごろ2リットル+6速MTの組み合わせが追加されるとのアナウンスがあった。古典的なスポーツフィールを楽しみたいというユーザーには朗報だろう。


◆ボディ揺動の収束に改善望む

1.5リットルグレードの惜しいポイントは足回りの味付け。身のこなしは軽やか、乗り心地もフラットライドで悪くはないのだが、ギャップを乗り越えたときの微振動、揺動の収束がよくなく、それが乗り味の爽快感を若干スポイルしていた。

1.5リットル単体で乗った時にはこれでなかなか良い仕上がりに感じられたのだが、この後に乗った2リットルモデルが素晴らしい味付けで、折角だからこちらももうひと息煮詰めればよいのにという思いを抱いた次第。


◆試乗燃費は17.5km/リットル

最後に燃費。1名乗車、エアコンOFF、暖気ずみという条件で首都高速と一般道が半々くらいの36.9kmのルートを1時間16分、平均30km/h弱で走り終えた時の燃費計の数値は17.5km/リットル。エコランを意識すればもっと伸ばせそうだった。

秀逸だったのは信号待ちなどのときにエンジンを止めて燃料を節約する「アイストップ」の挙動。一般的なアイドリングストップシステムがスタート時にキュキュキュと数回クランキングするのに対し、新型アクセラのアイストップはスターターモーターのごく小さな音が聞こえた瞬間にエンジンが再スタートし、そのさいのパワートレインの揺れもほぼゼロ。ちなみに後に乗った2リットル+ATのほうはわずかながらもたつきが感じられた。もともとアイドリングストップはMTとの親和性が高いシステムなのだが、新型アクセラもそのようであった。


◆もうひと息のファインチューンが欲しくなる

総じて新型アクセラの1.5リットルは、運転の楽しみとユーティリティを兼ね備えるCセグメント(VWゴルフクラス)ハッチの実用車として良好な仕上がりであると言える。もったいないのは前述のとおり、欧州基準でみても一定水準を満たしたものに仕上がってはいるものの、シャーシの潜在能力を出し切っていない足まわり。

シリーズのボトムエンドでスターティングプライス170万円強という低価格ゆえ、コスト配分に苦慮した結果の仕様策定であったことは容易に推察できるが、マツダが追求している高付加価化のことを考えれば、オプショナルでもいいのでもうひと息のファインチューンが欲しくなるところだ。
《井元康一郎》

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