ホンダ『ヴェゼル』は見せかけの新しさではなく、本物の上質なクルマを作りたいという想いからスタートしたという。
そう話すのは、インテリアデザインを担当した、本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン室1スタジオの山本洋幸さん。「インテリアでは、そのために、余計なことはあまりせずに、なるべくシンプルに素材感を生かした」と話す。
山本さんはその意味について、「例えるなら、美味しい“素うどん”を作りたいと思った。具を入れれば引き立つのは前提ではあるが、ベースが旨ければ余計な具はいらない」と述べる。革のパッドの表現では、「とにかく革らしく見える形はどういうものかを、本物の素材を研究したり、クレイモデラーと喧々諤々やりながら、細かい処理まで含めてやりきったと思う。そういう志でデザインしていった」と振り返った。
山本さんは、「今回の開発は、チームの中で、SUVという車型を借りた新しいグローバルスタンダード、良いクルマを作ろうという目指す方向が、初期から全くブレがなかった。正しいと思うことをエクステリアも含めてやり切れた」と語った。