JR各社、来年3月ダイヤ改正の概要発表…ブルートレイン「あけぼの」廃止

鉄道 企業動向
秋田新幹線のE6系。来年3月ダイヤ改正から320km/h運転を実施し、愛称も「こまち」に統一される
  • 秋田新幹線のE6系。来年3月ダイヤ改正から320km/h運転を実施し、愛称も「こまち」に統一される
  • ブルートレイン「あけぼの」が来年3月ダイヤ改正で廃止。残るブルートレインは「北斗星」のみとなる(写真はイメージ)
  • 1989年から『スーパーひたち』で運用を開始した651系。来年3月ダイヤ改正から特急「あかぎ」「草津」に使用される

JRグループ7社は12月20日、2014年3月15日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。上野~青森間を結ぶ寝台特急『あけぼの』の廃止が正式に決定。このほか、秋田新幹線『こまち』の320km/h運転開始や長野新幹線で新型E7系の導入などが柱となる。

JR九州とJR貨物を除く旅客5社の主な内容は以下の通り。

■JR北海道
特急『スーパー宗谷』の最高速度を現在の130km/hから120km/hに引き下げるほかは、一部特急列車の時刻変更が主。『スーパー宗谷』は所要時間が最大で13分延びる。キハ183系使用の特急『北斗』『サロベツ』については引き続き運休し、臨時列車を運転する。

■JR東日本
上野~青森間を結ぶ寝台特急『あけぼの』が定期列車としての運転を取りやめる。同列車は1970年に運行を開始し、東京と東北を結ぶブルートレインとして親しまれてきた。JR東日本は利用者の減少と車両の老朽化を廃止の理由としており、多客期には臨時列車として運転するとしている。『あけぼの』廃止に伴い、残るブルートレインは上野~札幌間の『北斗星』のみとなる。

新幹線では、秋田新幹線の車両を新型のE6系に統一することにより、宇都宮~盛岡間の最高速度を300km/hから引き上げ、全列車を320km/hで運転。現在は速度の差で『こまち』と『スーパーこまち』の2つに分かれている列車名も『こまち』に再び統一する。東京~秋田間は最も速い列車で3時間37分(下り)となるほか、全列車が3時間台での運転となる。
長野新幹線には、2015年春の北陸新幹線金沢延伸開業に向けた新型車両E7系(12両編成)を3本投入。東京~長野間で1日7往復運転する。最上位クラスのグランクラスはシートのみの営業となる。

在来線では、高崎線の特急『あかぎ』『草津』の車両を、現在の185系電車から『スーパーひたち』で使用されていた651系電車に置き換える。平日の通勤時間帯(朝上り・夕方下り)の『あかぎ』11本は、着席通勤を狙いとした全車指定席の『スワローあかぎ』として運転し、従来の指定席特急料金より割安な『スワローあかぎ料金券』で乗車できるようになる。

また、南武線では快速の運転区間を川崎~登戸間から稲城長沼まで拡大。このほか、同線や常磐線の各駅停車、中央線の『中央ライナー』、大宮~八王子間を結ぶ『むさしの号』をそれぞれ増発する。

■JR東海
新大阪駅の大規模改良工事完了などに伴い、1日のほぼ全ての時間帯で『のぞみ』を1時間最大10本運転する『のぞみ10本ダイヤ』とする。また、岐阜羽島・米原停車の『ひかり』に、これまでの700系に代わり加減速性能の高いN700系を投入することで、東京~新大阪間の所要時間を3分程度短縮する。このほか、新幹線車内の自動販売機を廃止する。

在来線では、東海道本線で静岡発沼津行きのホームライナーを19時台に増発。また、中央線では愛知環状鉄道への直通運転を取りやめる。

■JR西日本
山陽新幹線では、一部の『のぞみ』『さくら』の停車駅を見直し、徳山で『のぞみ』、新山口で『さくら』の停車回数を増やす。また、『さくら』の1往復を『みずほ』に変更するとともに、『みずほ』2往復を新たに姫路停車とする。

在来線では、東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)で大阪発草津行きの特急『びわこエクスプレス』を20時台に増発。桜島線(JRゆめ咲線)では同線内の列車と大阪駅からの直通列車を増発する。そのほか、一部特急列車の時刻変更や停車駅拡大などを行う。

■JR四国
特急『しおかぜ』のグリーン車位置を統一するほか、同列車と併結する『いしづち』の号数を揃えて分かりやすくする。併結しない『いしづち』については3桁の号数に変更する。また、6月以降『いしづち』2本に新型特急車両8600系を投入する。特急『南風』『しまんと』『あしずり』は一部列車の行先を変更。徳島線・牟岐線を直通する特急『むろと1号』『剣山9号』は徳島駅で運転系統を分割する。

そのほか、平日のみ運転していた列車の土休日運行や運転区間見直しなどを行う。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集