ホンダは新型SUV『ヴェゼル』を12月20日に発売すると発表した。開発責任者を務める本田技術研究所四輪R&Dセンターの板井義春主任研究員は「デザイナーに最初に依頼したのは、今までのSUVはとにかく忘れてくれということだった」と振り返る。
板井氏は「今までのSUVを忘れてくれという意味は、クーペらしいものを造りたいというのがあったから。ただそれはクーペを造りたかったわけではなくて、クーペが持っている潜在的な価値。使い勝手が悪く、合理的ではないけれども、クーペの持っている良さを、うまくSUVの中に見えるように入れ込んでほしいということをデザイナーにはずっとお願いしてきた」と語る。
さらに「化粧しない、すっぴんの状態で存在感を出すデザインをしてくれともいった。この車はヨーロッパでもきちっとやっていかなければいけないと考えていたので、あまり特異なデザインにするとヨーロッパでは受けない。だから、とてもクラシカルな、オーソドックスなフォルムをしている。例えばホンダが得意としているワンモーションフォルムは、一切使っていない。まずは、すっぴんで勝てるものにしたかった」と述べた。
こうした注文に対し「かなり最初の段階からすぱっとでてきた」とした上で、「この車の社内の評価も、あまりトラブルは起こしていない、すごくスムーズに各評価をこなした。特にデザインは全く異論がなかった」と明かした。