【ダンロップ WINTER MAXX SJ8 試乗】SUVの苦手を補って余りある高性能ぶりを解析…斎藤聡

試乗記 国産車

ダンロップ WINTER MAXX SJ8 試乗のようす
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  • 斎藤聡氏
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SUVだって氷上性能が欲しい。そんな要望に応えて開発されたのがダンロップのニューSUV用スタッドレスタイヤ『WINTER MAXX SJ8』だ。

氷上ブレーキ性能を11%向上するとともに、タイヤライフも7%向上させているのが最大のセールスポイント。重心が高く車重が重いSUVは氷の路面を苦手とするが、その苦手を解消しようというのがSJ8の狙いだ。

◆ブロック剛性の向上を実現したのは…

トレッドデザインは方向性パターンで先代SJ7に比べると全体にブロックが小振りになって、ブロック密度が高くなっている…つまり接地面積が広くなっている。一見するとブロック剛性は従来よりも落ちているのではないかと思えるが、実際にはパターン剛性(≒ブロック剛性)はSJ7よりも高くなっているのだという。

ブロック剛性を高く取れた理由の一つはダンロップの新材料開発技術である4D NANO DESIGNによって生み出されたナノフィットゴムにある。

このゴムコンパウンドは、高密度シリカと軟化剤の配合によって、ゴム全体は剛性があり、接地面だけが柔らかくすることに成功したのだという。マクロレベルではブロック剛性を高め、氷上のごく小さな凹凸などナノレベルでは柔軟性を発揮して密着し氷上ブレーキ性能を高めている。

もう一つは、MAXXシャープエッジと名付けられた極細サイプを実現したことによる。幅を25%細くすることでブロックに大きな負荷がかかった時には互いに支えあい、氷上のような負荷の小さな領域ではブロックが柔軟に接地面をとらえ、またエッジ効果を発揮する。もちろんサイプはミウラ折りによる3Dサイプが採用されている。

このMAXXシャープエッジとナノフィットゴムの効果で、マクロ領域でのブロック剛性を高めることができたことで、ドライ路面でのブロックのヨレからくるふらつきを抑えることもできた。

さらにセカンドブロックのT型の溝がウエットの排水性はシャーベットの排雪性、雪上でのトラクション性能に効果を発揮しているという。

◆滑り感がない分敏感すぎる向きも

試乗してまず感じたのはブロック剛性の高さだ。圧雪路を走らせていると、しっかりした踏みしめ感があり、ハンドルを切り出すと素早く応答してくれる。例えばコーナーに向けてハンドルを切っていく場面でも、わずかに横にタイヤが逃げながら(≒滑りながら)向きを変えていくような滑り感が少なく、シュッと向きが変わる、そんな印象だ。

反面、直進時にわだちを乗り越えるような場面では、タイヤの反応がやや敏感に感じられこともあった。もちろん許容範囲ではあるのだが…。

とはいうものの、このシャープさは、操縦性の面ではおおむね良い方向に効果を発揮している。

特に感じたのは、トレッド面全体の剛性が高いためか、ブロックのヨレからくる応答の遅れがなく、雪道であるにもかかわらず、ステアリングの操作がそのまま路面に伝わり、ダイレクトな操縦感を作り出している。それが先にも触れた様に、「シュッと向きを変えてくれるシャープな操縦性」という印象につながっているのだ。

『イヴォーク』はドライ路面は軽快な操縦性を持ったクルマだが、SJ8+圧雪路でもその軽快な操縦感覚がそのまま生かされているような乗り味だった。また『プラド』との組み合わせでも操縦感覚に鈍さが出ず、全体に軽やかな印象となる。

車重のあるSUVだけに圧雪路でのトラクション性能はもともと有利であり、しっかりと雪の路面を踏みしめて蹴り出してくれる感触が感じ取れた。またコーナリングでは単にシャープに曲がるだけでなく、タイヤのショルダーやブロックのエッジ部が路面を捉え、エッジを利かせて曲がっているような感触がある。このあたりにもブロック剛性の高さによる副次的な効果が出ているのだろう。

◆氷上のグリップ性能向上

氷上はどうか。これもSJ7から比べると明らかにグリップ性能が上がっていた。

接地面積を増やした効果と、新開発のコンパウンドが効いているのだろう。接地面の密着感が高く、広い実接地面積が確保されているのが想像できる。

またMAXXシャープエッジが効いているようで、タイヤを滑らせてもグリップが抜けず、滑りながらも爪を立てて氷の路面を引っかいているようなグリップ感が残っている。滑り出しの挙動も穏やかで、滑らせながらもクルマを自由自在にコントロールできるほど懐の深いコントロール性を持っている。

ドライ路面では試していないが、これだけブロック剛性が高ければ、ドライ路面の操縦性にも期待ができそうだ。冬のSUVドライブを楽しくしてくれるタイヤといえそうだ。
《斎藤聡》

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