標準車の「G・EX」。こちらは顔つきも大人しく、新型『オデッセイ』の素のよさ、実用性の高さが味わえる。
インテリアでいいのは、インパネがすっきりと上品なデザインになった点。ゲーム機のコントローラーのようだった従来のセンスが影を潜めたのは大歓迎だ。1~3列の空間自体も想像以上に広い。2列目の「プレミアムクレードルシート」は、トヨタ『センチュリー』の後席のようなクッションの厚みで、座るとフカッ!とカラダが沈み込む。3列目は頭まわりの余裕などスペースも十分で、座面、背もたれともサイズアップ(しかしクルッと床下に格納する機構は堅持した)、かつ座面に傾斜をつけつつ床から十分な高さを確保しており、ミニバンの3列目としては異例な環境のよさだ。
スライドドアは機構部分(ローラーや戸袋)を薄く設計するなどし、ドアが開いた状態でメカ部分が目立たない。指1本の力で開けられるドアハンドルも採用する。床が低く、シートのスライド、折り畳みも自在。なのでラゲッジスペースのフレキシビリティも十分だ。
16インチタイヤを履く足回りは、アブソルートに較べ、クルマの動きにゆったり感が増す。搭載エンジンは175ps/23.0kgmながら、アブソルートにヒケをとらない性能を発揮。こちらも中速域のトルクが充実しており、通常の加速も十分なものだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。