『ゴルフ』は素晴らしいクルマだと思う。でも10点をゴルフに投じなかったのは『Sクラス』に乗って考え方を変えたからだ。
燃費が良くて、ボディがしっかりしていて、安全で、運転がしやすい。これはすべてのクルマが目指すことだが、進化すればするほどにエコ家電のように感じられるからだ。
“価格が適度で賢いクルマ=いいクルマ=イヤーカー”という図式で良いのだろうか? と感じた。
夢があって、存在の意味があるクルマとは何だろう?そこで浮上したのがメルセデスSクラスだった。自動運転一歩手前の安全性。つまり技術へのチャレンジが窺える。軽量化によるハンドリングの達成。価格は度外視した。本当に素晴らしいと感じたクルマに10点を入れようと決めたからだ。だからSクラス最高点を入れた。
Sクラスと同軸で評価できるクルマは今回他になかった。
『アウトランダーPHEV』はバッテリー容量が大きいことと急速充電に対応できることでマンション族にもPHEVを持つメリットが生まれた。そしてランエボで培ったハンドリングの達成だ。だから5点。
そしてゴルフに対してフィットに1点多い4点を配点したのは新しいハイブリッドへのチャレンジがあったからだ。クラウンの3点は、サスペンションへの新しいチャレンジと、日本の桜の色であるピンク色を販売したから。クルマ好きでない人々からも注目を集めた。
メルセデス『Sクラス』:10点
アウトランダーPHEV:5点
ホンダ『フィット』:4点
VW『ゴルフ』:3点
トヨタ『クラウン』:3点
松田 秀士│レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長の現役レーサー。今でも若者レーサーとバトルを演じるレベルを保っている。国内レースだけでなく海外レースにも多くの出場経験があり、これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。