モデルチェンジしたアウディ『A3』の上位グレードである1.8リットルターボ。1.4リットルモデルがFFであるのに対し、クワトロと呼ばれる4WDであるのが大きな違い。
1.4リットルのFFでも十分なトルク感と安定感を備えていたA3ではあるが、1.8リットルターボのトルク感とクワトロの安定感は、クルマのプレミアム感をさらに高いレベルへと引き上げている。エンジンのスペックは、パワーにして58馬力、トルクして8.2kgmの上乗せだ。当然、1.4リットルモデルを凌ぐ、パフォーマンスを体感できる。
完全ドライの路面で、高速道路を中心とした試乗となったため、クワトロの優位性を大きく感じることはできなかったものの、高速走行中のレーンチェンジではそのバツグンの安定性を示してくれた。FFですら正確で引き締まったハンドリングを味わえるA3。そのクワトロ版はさらに上級なフィーリングを持っている。
今回のA3は車内にWi-Fiを飛ばすことができるほか、漢字の認識もできるというフロアコンソールのタッチバッドを備えたナビなどが装着される。タッチパッドを使ってひらがなで入力してみたが、たしかにきちんと認識する。しかし、右ハンドルしか設定されないA3では左手で入力しなくてはならず、若干使い勝手が悪い。
400cc分の排気量アップとクワトロシステムの対価(シートやタイヤ、サスなども仕様が異なる)は85万円となり、車両本体価格は393万円。1.4リットルがエコカー減税100%(免税)となるのに対し、1.8は減税対象とならない。
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。