予選では僅差の接戦に敗れて6位にとどまった格好のロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)だが、スタートしてすぐに4位へとポジションアップ。後方のアクシデントによるセーフティカー導入が明けたのち、2位を走っていたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)が反則スタートによるドライブスルーペナルティで後退すると、ロッテラーは3位に上昇、前を行く僚友・中嶋一貴(#1)とバトルを演じることに。予選で少々後手を踏んでも、さすがは2011年王者にしてル・マン連覇(11~12年)の実績を誇る強者、決勝で見事な本領発揮、という展開である。
19周目に入る直線で一貴をパスして2位となったロッテラー、残す敵は約8秒先行するロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)のみ、ということになったが、このレースにはもうひとり伏兵がいた。セーフティカー導入中の3周終了時にピットインを敢行し、ドライでの55周/約250kmの決勝を“セミ無給油”ともいえる作戦で走り切り、予選9位からの逆転優勝を狙った松田次生(#20 Lenovo TEAM IMPUL)である。デュバルとロッテラーが32~33周目にピットインを済ませると、松田はトップに浮上した。ガソリンはもつのか?
こうしてロッテラーの勝利はほぼ確定的な状況となった。松田も2位は守り切れそうな様相に思われたのだが、53周目、残り2周と少しのところでガス欠……。この結果、2位には平手晃平(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)、3位には山本尚貴(#16 TEAM 無限/ホンダ)が入った。ペナルティを受けたデュバルが4位、オリベイラが6位とそれぞれ挽回し、5位は伊沢拓也(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)。予選2位の国本雄資(#39 P.MU/CERUMO・INGING)が7位で、一貴が8位。