【イクリプス 開発者インタビュー】使いやすさと分かりやすさを実現するための開発設計

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品

システム技術部 第三製品仕様企画チーム 中野雅彦氏
  • システム技術部 第三製品仕様企画チーム 中野雅彦氏
  • システム企画室 UIデザインチーム 中川貴洋氏
  • 富士通テン AVN-ZX02i
  • AVN-G02
  • 富士通テン イクリプス AVN-ZX02i
  • イクリプス AVN-ZX02iのセレナ装着イメージ
  • 富士通テン イクリプス AVN-ZX02iとRSE0912
  • 9インチモニターが自慢の『AVN-ZX02i』、フィットパネルは現行車以外も用意する。
富士通テン イクリプスが擁するカーナビラインナップのうち、フラッグシップが「ULTRA AVN」こと、「AVN-ZX02i」だ。昨年に引き続き、今年もこのモデルがイクリプスのトップ・オブ・ザ・レンジとして継続販売される。

車載ナビとしては最大級の9型の画面サイズと、地図更新サービス(「マップオンデマンド」)や軽快な操作感、「Vivid View Processor 3」と呼ばれる高画質描画回路による鮮やかな画面を特徴とするこのモデルは「使いやすさ」という面においても大きな長所を持つ1台だ。

また、中核モデルの「AVN-G02」は、同社のベストセラーナビ「AVNLite」シリーズのユーザーインタフェースを踏襲しながら、12セグTVやDVD再生機能を持つ売れ筋モデルだ。

特筆すべきは、イクリプスがユーザー約100人に行った「使いやすさ」の満足度調査では、約9割のユーザーが“使いやすい”と評価している点だ。

こうした他社製品に埋没しない、独自のポジションを築いている富士通テンのナビ作りの思想はどのようなものなのか、今回、商品企画を担当したシステム技術部の中野雅彦氏と、AVN LiteからUIデザインを担当している中川貴洋氏のふたりに話を聞いた。


◆対応車種の充実と分かりやすさが人気の理由

----:AVN-ZX02iは、昨年の夏発売された、業界初の9型ディスプレイ内蔵ナビでした。現在でも根強い人気を持つモデルですが、この理由をどのように見ていますか。

中野:1つは、対応車種の拡充を図ってきたことですね。現在、22車種に取り付けキットを用意しています。もう1つは、9型の画面の大きさを活かして、使いやすさを向上できたこと。地図の見やすさやボタン類の使いやすさなどを最適化するだけでなく、フリック&ドラッグとかスマートフォン感覚の操作性も入れて、直感的に使えるところもご好評いただいているようです。

----:9型のメリットを使いやすさにつなげている、ということですね。

中野:ええ。画面サイズは7型と比較すると1.8倍の面積ですので、情報量を増やしています。また、画面サイズが大きいと、運転中にぱっと見たときの視認性も良いので、必要な情報を探すために画面を凝視する必要がありません。安全性という面でも、大画面は重要です。当社は長いあいだ車載器を作っておりますので、その立場で、車内の特殊な環境の中で使いやすさのノウハウを積み上げてきました。音声ガイダンスの正確さや自車位置精度へのこだわりも、安全面で不可欠な要素だと考えています。


◆ユーザーに不満を与えないためにも、レスポンスにはこだわる

また、イクリプスのナビはサクサク感というか動作の軽快さも魅力ですね。

----:中野:車に乗ってエンジンをかけたら、すぐに目的地を設定してできるだけ早く出発したい。なのにナビの処理待ちで待たされるというのはフラストレーションが溜まりますよね。こういうことがないよう、ことレスポンスに関しては、以前から非常にこだわってつくりこんでいます。実際にお客様より、「レスポンスが良いから気に入っているんです」と声をかけていただいたと聞いた事があります。レスポンスは、イクリプスのベースとなる部分だと実感しておりますので、この点は妥協せず製品開発に取り組んでいます。

----:優れたレスポンスを実現する特別なノウハウがあるのでしょうか。

中野:能力の高いハードだけでなく、性能を引き出すためのソフトも重要で
システム全体で考えないと優れたレスポンスは出せません。試作から評価・検証、そして改善を繰り返してチューニングしていくという地道な作業の積み重ねです。

----:そういう、動作の軽快さだとか、画面の大きさ、地図の発色といった部分は、カー用品店の店頭でもアピール効果が高そうですね。

中野:ナビゲーションの技術が成熟している状況の中で、お客様に商品を知ってもらうためには、店頭で「お客様自身が見てわかる、触って体感できる」という目を引く要素も大切だと思います。レスポンスや画質のよさといった点は、店頭でお客様に体感頂けるものなので、イクリプスとしての強みも大切にしています。

----:フリック&ドラッグといったスマホライクな操作性は今後、他のカーナビにも取り入れられていくものと思いますが、車載機の安全性との兼ね合いはどのように考えていますか。

中野:まず、車載機は車の中で使う商品である以上、運転に支障を与えない配慮が必要と考えます。この安全性を踏まえた上で、車載機が使いやすくなる操作系を商品化していく必要があると考えます。



◆説明書不要を目指したAVN Liteのインタフェース

----:次に、AVN-G02のユーザーインタフェースをご担当なさった中川さんにお聞きします。このデザイン開発に携わったのはいつからなのですか。

中川:2008年に出した「AVN Lite」の初代モデルから関わっています。

----:AVN-G02のUIは、AVN Liteの流れを引き継いでいますが、そもそもAVN Liteの開発時に念頭に置いていたのはどのようなことでしょうか。

中川:AVN Liteは、商品企画をゼロから作り上げたもので、デザインも例外ではありません。そのときのコンセプトは、「初心者でも分かる取扱説明書が不要な分かりやすさ」でした。初代モデルはDVD再生機能も12セグも省いて、徹底的に機能をそぎ落としたモデルです。このコンセプトが、おかげさまで非常に好評を博し、現在まで続いています。お客様に認められているそのUIを、12セグ/DVD再生機能付きというミドルクラスの売れ筋セグメントにも持ってきたのがAVN-G02です。


◆基本はそのままに質感を引き上げて「こだわり派」にもアピール

----:AVN LiteシリーズとGクラスでは、どのような差別化を図っているのでしょうか。

中川:AVN Liteシリーズの使いやすさ・分かりやすさはそのままに、上質感を引き立たせる工夫を盛り込みました。色使いをグレーやブラック基調を増やし、ボタンの角をLiteシリーズのように丸みを持たせずにエッジを立たせています。また、アイコンのデザインもカジュアルではなく、よりシックなテイストに見直しました。

中野:機能面では、3Dジャイロ搭載による自車位置精度の向上や、音声案内のわかりやすさといったナビゲーションの基本性能を高め、ワンランク上の商品に仕上げております。デザインの上質感と合わせ、幅広いお客様に満足頂ける商品です。
《まとめ・構成 北島友和》

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