【ルマン24時間 2013】決勝ダイジェスト 後編[写真蔵]

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ルマン24時間 2013
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12時間経過

ルマン24時間耐久レースはスタートから12時間を過ぎ、折り返し地点を迎えた。12時間40分経過時点での首位はアウディ『R18 e-tronクワトロ』2号車(マクニッシュ)。

これを追うのは『TS030ハイブリッド』を擁するトヨタ勢だ。2位に8号車(デビッドソン)、3位に7号車(ラピエール)。4位にはアウディの3号車(ジャーヴィス)。アウディの1号車はナイトレース突入後、トラブルのため緊急ピットインし、修理のため43分を費やす痛いロス。総合8位に沈んでしまう。

4位につける3号車もヘッドライトのトラブルでフロントカウルの交換となったが、直後に再スタートにこぎ着けた。

ピットストップはロングランに不利なアウディ勢がやはり多く、トップの2号車はすでに17回。トヨタ勢は15回(8号車)・14回(7号車)と2~3回は少ない。残り11時間でおそらく2回は少ないため、トラブルさえなければ終盤にトヨタが逆転できる可能性は高まる。

12時間半を経過してクラッシュのため7度目のセーフティーカーが入る。バリアが破損し、この修復のために40分程度かかった。

14時間経過

朝5時を過ぎ空が白み始めた。夜明けを迎えても首位はアウディ2号車(デュバル)で変わらず。3分20秒台中盤のラップを刻み、2位のトヨタ8号車(ブエミ)より3~4秒速いペースで引き離す。

3位にはトヨタの7号車(ブルツ)。4位にはアウディの3号車(ジェネ)。アウディの1号車(トレルイエ)がピットロスで8位にとどまっている。嵐の前の静けさと言うべきか、奇妙な小康状態が保たれている。

LMP2クラスはオークレーシングのモーガン・日産マシン24号車がクラストップ。GTE Proはポルシェ『911 RSR』、GTE Amもポルシェ『911 GT3 RSR』だ。

16時間経過

残り7時間を切ったところで、アストンマーチン・バンテージV8 98号が漏らしたオイル処理のため、セーフティーカー・ランになった。

依然、アウディ2号車(クリステンセン)がトップを走り、トヨタ8号車(サラザン)とトヨタ7号車(ブルツ)がこれを追う展開が続いている。続く4位はアウディ3号車(ディグラッシ)だ。これら上位4台は綺麗に1周ずつの差で走行している。

再びコースは部分的に雨が降り出す中、残り6時間16分でレースは再開。
しかし直後、5位を走行していたレべリオン・ローラB12/60クーペ・トヨタ13号車(ベリッキ)がクラッシュした。リヤが流れ、カウンターステアで修正しようとしてオツリを貰ってしまったようだ。

マシンはフロントから激しくガードレールにクラッシュするもピットまで帰還した。これによりコースはまたもセーフティーカーが入る。

18時間経過

トップは変わらず。残り5時間を目前に、GTEプロのトップを走っていたアストンマーチン・バンテージV8(マコウィッキ)がクラッシュ。これでセーフティーカーが入るのは10回目。ガードレールの修復にまた40分程度要した。

LMP1はアウディ2号車をトヨタ勢8号車・7号車が追い、4位にアウディ3号車が続く。順位に変動はないが、雨の影響によりクラッシュやコースアウトが続出しているため、最後まで予断を許さない状況だ。

一方、オレカ03・ニッサンに乗車した中野信治はチームメイトのクラッシュ、ローラB12/80・ニッサンの井原慶子もマシントラブルにより深夜にリタイアしている。

セーフティー・カーの多い展開は燃費で勝るトヨタにとっては嬉しいものではないだろう。しかし、2台のトヨタの前を走るアウディがたった1台という状況はまたとないチャンスでもある。トヨタはどこかでペースを上げて仕掛けるのか?

20時間経過

レースは20時間が経過し、最終盤を迎えた。残り4時間25分、セーフティカー明ぇのダンロップ・カーブで3位のトヨタ7号車に乗る中嶋一貴が、GTマシンを抜きにかかったところでスピン!

昨年の日産『デルタウイング』とのクラッシュを思い起こさせる、あわやクラッシュという状況だったが、ポルシェ以外前後に走っている車もなかったこともあって事なきを得た。このあたりの運は、今回のルマンでのトヨタの強さか。

トヨタ7号車は幸いにも壁をヒットすることなく走り続けた。4位のアウディ『R18 e-tronクワトロ』3号車(ディグラッシ)が15秒差にまで追いつきプレッシャーをかける。

1位はアウディ2号車(マクニッシュ)、2位はトヨタ8号車(サラザン)で変わらず。

残り3時間45分、4位を走っていたアウディ3号車がピットイン、ドライバー交代となった。トヨタの8号車もデビッドソンにドライバーが替わっている。

22時間経過

レースは残り2時間。トップにアウディ2号車(クリステンセン)、1周遅れで2位のトヨタ8号車(デビッドソン)という構図は変わらず。マシントラブルで8位まで落ちていたアウディの1号車(ロッテラー)が猛追し5位まで浮上。

3位争いは熾烈だ。ピットで3位に立ったアウディの3号車(ジャーヴィス)に対してトヨタの7号車(ラピエール)が猛プッシュ。318周目には両車がコーナーで時折並び、テール・トゥ・ノーズのつばぜり合いが演じられている。ドライバーやピットスタッフの疲れはピークに達しており、この集中力をいかに最後まで持続できるかが鍵と言える。

LMP2クラスで参戦していた井原慶子のガルフレーシング・ミドルイーストと中野信次のデルタADRはともにリタイアを喫している。GTE ProクラスのAFコルセでフェラーリ『458 イタリア』を駆る小林可夢偉はクラス4位を走行中だ。

23時間経過

最終盤に大波乱が待ち構えていた。残り1時間20分を過ぎると雨が急に強くなり、スピンやオーバーランが続出。

そのなかで3位を走っていたニコラ・ラピエールのドライブするトヨタ7号車がポルシェ・コーナーを止まりきれず、タイヤバリアに突き刺さった。7号車の表彰台は絶望的となった。一度は諦めてマシンを降りたラピエールだが再びコクピットに乗り込み、フロントカウルを失ったままピットに戻る。

1位はアウディ2号車(クリステンセン)、2位にトヨタ8号車(ブエミ)。各車、ピットに戻りウェットタイヤへの交換をおこなった。

LMP2のトップを走っていたオークレーシングのマシンもスピンを喫するが、幸いマシンにダメージはなく再度スタート。

同時にNo.49オレカが第1シケインでクラッシュし、今年のレース11回目のセーフティーカー・ランとなった。

フィニッシュ

天候が目まぐるしく変わった今年のルマン24時間耐久レースのチェッカーをトップで受けたのは、アウディの『R18 e-tronクワトロ』2号車(クリステンセン)。アウディのワークスが勝つのは2010年から4年連続。

なんと9度目のルマン覇者となったクリステンセン。フィニッシュの瞬間、その目には涙が光っていた。

トヨタは善戦及ばず、8号車(ブエミ)が1周遅れの2位。ルマンでトヨタが2位に甘んじたのはこれで4度目。最後の最後まで頂点の壁を打ち破ることができなかった。

7号車は懸命の修理のすえ4位でなんとかコースに戻り、5位のアウディ1号車に先行してフィニッシュした。アウディ・トヨタ・アウディ・トヨタ・アウディという結果に。

クラス別のトップは、LMP2がオークレーシングのモーガン・日産35号車。GTE Proクラスは911 RSR 92号車、GTE Amクラスも911 GT3 RSR 76号車が勝ち、911の50周年に華を添えた。

《レスポンス編集部》

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