【三菱 eKワゴン 試乗】本当の意味での“いい軽”に成長 …青山尚暉

試乗記 国産車

ekワゴン
  • ekワゴン
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  • シートは厚みがあり、サイズもたっぷり。ミニバン的なドラポジだ。
  • 後席もシートはたっぷりサイズ。シート長は大型車の前席に相当する500mmもの長さがある。
  • ekワゴンは大型1眼メーター。
  • 薄い手袋をしていても操作できるタッチ式エアコン操作パネル。室内の上級感に寄与する。
  • ルームミラー内蔵のバックビューモニター。
  • 2WD車のM<Gグレードは13km/hから作動するアイドリングストップを完備。
“Excellent K-car”の頭文字を「いい軽」と語呂合わせした三菱『ekワゴン』のネーミングはなかなかだと思う。

先代まで全高1550mmのセミトールワゴン。しかし3代目となる、 三菱と日産の合弁軽自動車企画会社「NMKV」によって開発された 新型は全高1620mmのトールワゴンに変身。軽自動車の売れ筋クラスについに参入したわけだ(日産版の車名は『デイズ』)。

そのハイライトはまず軽自動車最上級の質感ある内外装デザインだ。 三菱、日産のコンペを勝ち上がったデザインだけに、さすがの仕上がりだ。特にトリプルアローズラインと呼ばれる3本のプレスライン が入った立体感あるサイドビューはライバルとの大きな違い。くらべて見ると、ライバルはペロリとした平面的なサイドビューでしかないことが分かるだろう。

インテリアもクラスを超えた上級感に満ちている。インパネは表皮の質感がソフトパッドと見まがうほどで、タッチパネル式オートエアコン 、リヤビューモニター付きルームミラー、紫外線99%カットフロント・ドアガラスなどの装備も大きな特徴だ。

パッケージ的には先代よりホイールベースを90mm伸ばし、そのすべてを後席居住空間に当てている。後席の広々感に直結するひざ回り空 間は身長172cmのボクのドラポジ基準で先代のほぼ倍に相当する、 『デリカD:5』の2列目席と同等の約270mmもあるから広大だ。

さらにシートは厚み感たっぷり。全高の余裕によって後席フロアをかさ上げできたことで後席フロアとリヤドア部分のステップに段差がなく なり、リヤドアの開口角度を広めたことで(先代比+10度の75度) 後席の乗降性は格段に向上している。

燃費性能も文句なしだ。アイ用をリファインした新NAエンジン、副 変速機付きCVT、13km/h以下で作動するコーストストップ付きアイドリングストップ(M、Gの2WD)、車体の軽量化などによって JC08モード燃費はワゴンRのような飛び道具なしでいきなりクラス 最上の29・2km/リットルだ。4枚の葉っぱなどによるエコ支援機能にもぬかりはない。

しかし、それ以上に驚かされるのがekワゴンの走りっぷり。NAエンジンの49ps、5.7kg-m スペックはライバルにくらべやや見劣りするもので、たしかに低速トルクはもっと膨らましてほしく、加速も終始おだやかだ。エンジンの3気筒っぽい音、振動は売れ筋ライバルのように消し去れてはいない。

が、操縦安定性はクラストップクラスと断言できる。電動化されたパワステは55km/hまで軽く扱いやすく、そこからズシリとした重さに変わり、全域で自然で安心感ある穏やかな操縦性を示す。4輪の高い接地感、リヤの踏ん張り感はもう鉄壁。高速道路では矢のように直進し、たとえ山道を飛ばしても(パワーはともかく)想定外に気持ちいい走りが楽しめるのだ。やや硬めの乗り心地にしても安心感、上級感あるものと言っていい。

つまり、エンジンに対して足が完全に勝っている。その理由は推測するに、来年初頭にデビューするはずの両側スライドドアを備えたスーパーハイト系モデルとプラットフォームを共用しているからではないか。余裕があって当然だ。

そんなわけで、新型ekワゴン、本当の意味でいい軽=ekになったなと思わされた。

そうそう、新型ekワゴンは大型犬などペットを乗せるにも適している 。リヤドア部分のサイドシルに段差がなくなり乗りやすく、後席の足元も広々。後席はクラス最大のシート長(500mm)を備え、座面が比較的平面であるため、大柄な犬でも寛ぎやすいのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとし
ての活動も広げている。
《青山尚暉》

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