日立ソリューションズは、同社が提供する「遺失物管理システム」を小田急バスで3月16日から稼働開始したと発表した。
稼働から1カ月が経過、小田急バスでは、システムを活用することで、遺失物(落し物、忘れ物)管理業務の効率化を図るとともに、利用者からの問い合わせに迅速に対応することが可能になり、顧客サービスを向上したとしている。
人が多く集まる施設の運営会社では、遺失物法に基づき、拾得物を適正に取り扱い、一定期間内に物品、形状、拾得日時、場所、拾得者氏名、住所などを記した届出書と共に拾得物を警察署に提出する必要があり、適正な遺失物管理が求められている。
小田急バスは、一般路線バス60路線と空港連絡バス4路線を運行し、1日約20万人の利用がある。これらの路線で拾得した遺失物は年間2万6000件にのぼり、うち1万5000件は落とし主が不明などで警察に届けている。利用者からの問い合わせは月平均2000件以上。
従来、同社では遺失物管理業務を6営業所で個別に手作業で管理・届出しており、担当者の作業負荷低減と、迅速な問い合わせ対応に向けた遺失物情報の一元管理が課題となっていた。
今回、小田急バスは、営業所6拠点に日立ソリューションズの「遺失物管理システム」を導入し、3月16日から稼働開始した。システムは、遺失物情報をサーバー上で一括管理し、各営業所で登録、検索、返還、警察届出業務を支援する。システムを活用して情報を一元管理し、遺失物情報の検索精度向上を図り、乗客の問い合わせに迅速に対応することでサービス向上を図る。
小田急バスは、2013年度中を目途に「お客さまセンター」にもシステムの導入する予定。遺失物の画像記録機能を活用し、これまで該当の営業所でしか対応できなかった遺失物の検索対応を、同センターでも可能とすることで、一層のサービス向上を図る。