昨2012シーズン最終戦から約5カ月が経過した今年2013年4月6日、いよいよPCCJ(ポルシェ カレラカップ ジャパン)2013シーズンが始まった。
初戦はスーパーGT開幕戦の併催で、年間エントリーの全16台が出走。その内、PCCJルーキーが半数を占める。決戦の舞台となったのは岡山国際サーキット(岡山県)だ。全長が3.703kmと比較的短い上に、小さいコーナーが多くコース幅も狭いため、抜きどころが難しいテクニカルコースとして知られている。
予選はノックアウト方式。Q1、Q2という2セッションに分け、それぞれの結果でグリッドが決まる。Q1セッションは15分間、Q2セッションは10分間。それぞれのセッションは10分のインターバルを挟んで行なわれる。Q1の上位8台のみがQ2に進出し、Q2のタイムによって最終的なグリッドが決定する仕組みだ。
そして迎えた予選。台風並みの暴風雨という予報はあったものの、全車ドライタイヤを装着しタイムアタックの臨む。
まずトップタイムを叩き出したのは、ゼッケン14番川端伸太朗。ゼッケン78番近藤翼、ゼッケン12番小河諒も負けじと1分35秒台のタイムで追いすがる。最終的に、Q1は川端が3周目に出したタイムでトップ通過。続いて小河、ゼッケン10番川口正敬、近藤、ゼッケン19番永井宏明、ゼッケン32番飯田太陽、ゼッケン25番神取彦一郎、ゼッケン33番Tetsuo OGINOの計8名がQ2へと進出した。
Q2セッションは、わずか10分間。序盤にトップを争ったのは小河と川端。しかし残り3分、4周目を終えた時点で近藤がひとり1分34秒494というタイムで一気にトップに上がる。そのままポールポジションを獲得した。2番手には前年度Gクラスチャンピオンの意地を見せた永井が入り、以下小河、川端と若手が続いた。
そして同日午後に行われた決勝レース。スタート方式は、通常のスタンディングスタートではなく、ウェット路面と天候を配慮してペースカー先導によるセーフティカースタートが採用された。周回数も15周が減算され12周となる。もちろん、先導中もラップはカウントされていく。
2周目を終えてペースカーはライトをオフ。午後4時45分、16台がいっせいにアクセル全開でスタートを切った。残された周回はわずかに9周。ホールショットを決めたのは近藤だ。2番手永井を引き離し、独走態勢を築きにかかる。逆に永井は、慎重になり過ぎたのか、川端と小河、川口にもかわされ5位にポジションを落としてしまう。
その後、「思ったようにクルマが動いてくれた」と手応えを感じていた川端がトップ近藤を猛追。10周目を終えたコントロールラインではその差は0.2秒に。1コーナーでのブレーキング勝負はまさにテール・ツー・ノーズ。ところが、ここで川端が近藤に接触、コースアウトを喫してしまった。
一方、後方では12番手スタートのゼッケン21番高田匠が次々とポジションアップ。同クラスのTetsuo OGINOやゼッケン8番櫻井澄夫をかわし、最終的に総合7番手、ジェントルマンクラスを2位でフィニッシュする。
高田はこのオフに練習を重ねたとのことで、それが結果としてはっきり出たかたちとなった。
チャンピオンクラスは、川端の脱落で近藤がそのまま逃げ切り、見事第1戦の栄冠を手にする。少し後ろから追っていた小河が2位、3位は川口が入る結果となった。ポール・ツー・ウィンを飾った近藤は、「フィーリングはあまり良くありませんでした。後ろから追い上げられましたが、ピットから状況を知らせる無線も入っていましたし、気持ち的に負けたくないなと。結果的にアクシデントになってしまいましたが、生き残ることができてよかったです」とレースを振り返った。
ダブルヘッダー開催のため、翌4月7日(日)に開催される第2戦のグリッドは第1戦のベストラップ順で決定される。ポールポジションは川端。次いで近藤、小河と若手3人衆が上位を占める。その後方には川口、神取、永井とベテランが続くオーダーだ。