新型『クラウン』で唯一、3.5リットルモデルを用意する「アスリート」。その走りっぷりには、乗った瞬間から魅了される。もちろん315ps/38.4kg-mの性能の、2GR-FSE型V6エンジンがパワフルさを存分に発揮してくれるからにほかならない。レクサスGS350に遠慮してか、スペック上は僅かだけ控えめの表記。が、アスリートでは新たに8速AT(GS350は6速AT)が組み合わせられる違いがある。このため“踏めば相当に速い”のは事実だが、ドライバーの意思に非常に従順に、アクセル操作に正確に応えながらパフォーマンスを発揮してくれるのが印象的だ。シフトアップはスパッ!と切れ味がよく、反対にシフトダウンもごくスムースに実行される。心地よいエンジン音と振動を感じさせてくれるのもV6らしい。4気筒の軽妙さも悪くないけれど、走らせている実感を味わわせてくれるものだ。18インチタイヤを履くサスペンションも、硬質な感触だが、エンジン性能と見合っていて、「アスリート」の世界観を文字どおり支える。3.5リットルを選ぶ気骨あるドライバーならすんなりと受け容れられるはずだ。試乗車は最上級の「アスリートG」で、本革シート(ヒーター付き。後席はベンチレーション付き)、イージークローザー(前後ドアとトランクにも)ほか、目の肥えたユーザーをも納得させる充実した装備も魅力。オーナー自身がフラッグシップならではの走りと装備に浸ることのできる仕様だ。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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