『ワゴンRスティングレー』というとターボのイメージが強い。が、ラインアップには標準車と同じNAモデルの設定もあるので、改めて試乗してみた。
するとよかった。あくまで参考だが、車載の情報表示の“平均燃費”では写真のような数値(20.2km/リットル)を確認。これは高速道路を含みつつも、箱根の山岳路、朝の通勤渋滞、日常の短距離での使用、急坂の通過等、さまざまなモード込みの日常的な乗り方でのものなので、ごく現実的な数値と思う。CVTのモード切り替えは滅多に使わなかったが、エンジン負荷を抑えるアクセルワークをさらに徹底すれば、もちろんもっと数値を大きくすることは可能…そんな感触だった。
現行スティングレーは、抑えの効いた外観デザインも「コチラを標準車にしてもいいのでは?」と思える落ち着き、安心感もいい。
装備ではディスチャージヘッドランプ、オートライト昨日が標準というのが好ましい。ライトなど重要な機能部品は、グレードで差別されるものではないからだ。
表面の艶やかな感触が心地いいメッキのドアオープナーなど、インテリアの質感にも配慮が行き届く。上級車からのダウンサイザーにも納得してもらえるはずだ。キャビンスペース、使い勝手はワゴンRの得意科目で、申し分ない。
乗り味もまずまずのフラットライド。エンジン性能は必要にして十分。ステアリングフィール等、さらにこだわったチューニングが施されると、ますます良質なコンパクトカーとしてのポテンシャルが高まりそう…と思えた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。