川崎重工、鉄道システム用地上蓄電設備を受注…停電時に列車を最寄り駅に移動

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川崎重工 神戸本社
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川崎重工は、東京モノレールから世界で初めて非常時走行を目的とした鉄道システム用地上蓄電設備(BPS)を受注したと発表した。

今回受注したBPSは、同社が開発した大容量ニッケル水素電池「ギガセル」40モジュールで構成される2並列のシステムで、2013年3月に品川変電所に設置される。本件に引き続き、2013年度には多摩川変電所へ設置される予定で、2変電所へのBPS設置により、停電等で電車が駅間に停車しても最寄り駅へスムーズに移動させることが可能になり、乗客を安全に退避させることができる。

東京モノレールでは、東日本大震災を契機に、電力会社からの電力供給が止まって電車が駅間に停車した非常時における、乗客の安全性確保の方策を検討してきた。川崎重工は、回生電力を効率的に蓄電・貯蔵できるBPSを用いて、電車を最寄り駅に移動させる非常時走行を提案。今回の受注に先駆けて東京モノレールと勝島変電所で2011年4月にBPSの実証試験を行い、BPSの非常時走行能力を確認した。

BPSを構成するギガセルは、高速充放電が可能で負荷応答性能が高く、安全性に優れたニッケル水素電池。チョッパ装置などの電力変換装置なしで架線と直結できるため、設備の低コスト化や小型化を実現している。また、BPSは制御装置を介さないことから制御遅れや変換損失がなく、高い省エネ効果が得られ、かつ信号設備に対する誘導障害の原因となる高調波を発生させないことを特長としている。

《纐纈敏也@DAYS》

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