レクサス『CT200h F SPORT』ならではのトガり具合を確かめようとステアリングを握ってみた。すると、あくまでもジェントルだった。CT200hの登場以来の魅力は、しなやかでスムースな乗り味。より上級モデルにも遜色のない独自の味だ。それがF SPORTでもいささかもスポイルされていないのがいい。
もちろんF SPORTらしさは、さまざまな場面で体感できる。とくにコーナーを駆け抜ける時の素直で的確なステアリングの反応と、ロールが抑えられつつ、しなやかな身のこなしをみせるところなどはCT200h F SPORTならではだ。決して過敏すぎない頃合いのよさが、リラックスしながらも走りの楽しさを味わわせてくれる。
4気筒の1.8リットルエンジン(99ps/14.5kg-m)とモーター(60kw/21.1N・m)が生み出すシステムパワーは136ps。これにCVTの組み合わせによる動力性能は、ドライブモードセレクトを活用することで、硬軟いかようにも、だ。SPORTモードなら、クルマが俄然、活き活きとした走りをみせる。条件次第でスポット的にEV走行も可能だ。
メーターフートがステッチ入りのレザーで覆われたコクピットは、上質かつクールで、適度なタイト感があるのがいい。AC100Vが1500Wまで利用可能なコンセントも新たにオプション設定され、利便性を高めている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。