『ソニック』はあくまでベーシックなコンパクトカーだが、小さいながらもシボレーらしさを感じさせるユニークなクルマだと思う。
エクステリアだけでなくインテリアも、アナログとデジタルを組み合わせたメーターはもちろん、写真では伝わりにくいかもしれないが、インパネまわりもけっこう奇抜なデザインとされていて興味深い。
走りについては、細かいことはなくはないが、とくに大きく気になる部分もなく、必要十分とお伝えしておこう。このセグメントながらCVTやDCTではなく、6速ATを搭載する点も特徴だ。
1700mmを超えた全幅や、JC08モードで10.9km/リットルという燃費(実際にはもっと良い)、約200万円という車両価格は日本市場ではハンデになりそうだが、似かよったクルマの多いBセグメントにおいて、個性的で若々しい雰囲気があり、日本車や欧州車にはないセンスを感じさせるクルマだと思う。また、輸入車ながら日本仕様のウインカーレバーが右側に設定されている点は特筆できる。
まずは、こうしたユニークなコンパクトカーが存在することを、できるだけ多くの人に知ってもらうべきだと応援したくなった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★
岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県滑川市生まれ。学習院大学卒業後、生来のクルマ好きが高じて自動車メディアの世界に身を投じ、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の記者を経てフリーランスへ。近年はWEB媒体を中心に活動中。「クルマ好きのプロ」として、ユーザー目線に立った視点と幅広い守備範囲を自負する。