中国GPで感動のF1初優勝を飾ったニコ・ロズベルグが少しだけ落ち着いた様子で心境を語った。
「奇跡のような経験だった。まだ信じられないくらいだよ。実はここまで順調に進展するとは思っていなかった。でもレースウィークエンド全体がパーフェクトに推移した。スタート直後にバックミラーを見たら誰もいないんだ! どこかに消えてしまったのかと思ったよ(笑)」
「特に難しかったのはタイヤの管理だった。レース中一度も限界を超えて走ることはなかった。慎重に、タイヤを傷めないことだけを心がけ、これが結果的に上手くいった。ストラテジーも完璧だったと思う。どのスティントもぴったりタイヤを使い切って最高のタイミングでピットに入った。気温が低めに変化したことも完全に僕に有利に作用した」
「生涯で一番長いレースだったよ……。ルマン24時間をドライブしてるような気分だった。終盤の30周は、『一体どうしたんだ! 終わりが来ないじゃないか』と思っていた(笑)」
「でも最後の数周は『大丈夫だ。僕の勝ちだ』と思っていた。昔、ニキ・ラウダは、『一番難しいのは最初の優勝だ。2度目からはもっと楽になる』と言ってくれたけど、本当にそうだったら嬉しいよね!」
ニコの父親は1982年ワールドチャンピオンのケケ・ロズベルグだが、ロズベルグ家が優勝したのはウィリアムズで1985年オーストラリアGPが最後だった。F1の歴史で103人目の優勝経験者となったニコ・ロズベルグには、バーニー・エクレストンから銀の電報が届けられた。