トヨタ『アクア』は試乗会でも試乗したが、その後数日、借りて足として使ってみた。ほとんどが東京都内の市街地走行。全走行距離約100km、うち燃費を計測できたのが約88km。平均燃費は21km/リットルだった。気温も低く、アイドルストップしている時間は短かったが、このように良い燃費を記録していた。前方視界は『ヴィッツ』ベースであることを考慮すればかなり改善されている。それでもライバル(『フィット』、『マーチ』、『スイフト』)と比べるとまだダッシュボードが高く、フロント左コーナーの位置を正確に認識するまでに時間を要した。実際にはかなりコンパクトなのでわかってしまえば問題ないが……。バッテリーユニットをリヤシートの下に持ってきたことでハイブリッド車にありがちなリヤヘビーな特性はなくなり、ギヤ比によってステアリングスピードが速いクイックなハンドリングにセットされている。サスペンションは硬めで、ややゴツゴツ感はあるがクラスを考えればおおむね許容できる範囲だ。バンプ初期の突き上げ感がそれほどでもないことが許容できるからだ。試乗会では気にならなかったが、長時間乗るとブレーキペダルのストロークが大きいことが若干気になる。80km/h以下であれば室内がとても静かでコンフォタブル。実燃費と居住性を含めて現在のコンパクトクラスの目的をしっかり達成しているモデルだ。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★フットワーク:★★★オススメ度:★★★★松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。今でも若者レーサーとバトルを演じるレベルを保っている。国内レースだけでなく海外レースにも多くの出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。