29日、伊豆大島の一大イベント「椿まつり」のオープニングセレモニーが開催された。三菱の電気自動車『i-MiEV』とミス大島EVの先導によりおこなわれたパレードでは、「あんこさん」に扮した地元の子ども達や婦人会のメンバーらが笑顔を振りまいた。
椿まつりは大島の春の到来を祝う祭りで、開催されるのは今年で57回目。1月29日に開幕し、椿の花の見頃に合わせ3月18日までの約1か月半にわたり毎日開催、島をあげてさまざまなイベントがおこなわれる。
パレードでは、地元の婦人会約80名のあんこさんや、小中学生による「スーパーあんこ娘」のダンスパフォーマンス、江戸みこしなどが登場。気温は3度と例年以上の厳しい寒さの中での開幕となったが、皆元気いっぱいの笑顔をふりまき祭りを楽しんだ。
パレードの先導をつとめたのは電気自動車(EV)の三菱i-MiEV。大島町では自然を活かした観光まちづくりを目指し、太陽光発電やEVの導入を進めている。現在導入されているEVは、役場向けに1台と、レンタカー用に1台の計2台。島内には3か所4基の200V充電施設が設けられている。大島は外周が約50kmと小さく、またガソリン価格が本土とくらべ高い(1月29日現在で約170円)ことなどからEVの普及に適しているとされており、島民への周知・理解を呼びかけている。椿まつりに合わせ開催されている試乗イベントでは、既に2名がi-MiEV購入を決定したそうだ。
また、大島町は2010年9月に日本ジオパークに認定。活火山三原山の活動を通して“人間の生命を含む自然と大地の関わり”を学ぶ事ができる場所として、さまざまなツアーや展示をおこない島の魅力をアピール、観光客の呼び込みをはかる。EVはCO2や排気ガスを出さないことから、自然環境への負荷が小さい。自然あふれる大島だからこそ活かせるメリットも多く、普及への期待が高まっている。
大島は昭和40年代頃の全盛期には毎年約80万人の観光客が訪れたが、現在は約4分の1の19万人程度にとどまっているという。人口も減少を続けており、産業、観光の活性化が急務となっている。
29日、パレードに先駆けスピーチをおこなった大島町長の川島理史氏は、「何と言っても私たちが元気でなければならない。皆で力合わせて、人口や観光客の減少に歯止めをかけるため、一歩一歩進んでいく。椿まつりは新年に続く、大きな取組みにむけたもうひとつの出発点。厳しい寒さ、状況を突破していこう」と島民に呼びかけた。