オートモーティブワールド2012の会場内を歩いていると、銅製ローターの文字を発見。「アルミローターより軽量」という謳い文句に「!?」が脳裏に浮かんだ。
モーター・ローターの巻き線コイルには銅線を使うが、巻線型ではないローターもあり、それらは通常、磁性がある鉄とアルミニウムを鋳込んで形成している。アルミを素材に使用する理由は、電導性が高く比重が低い上に、鋳造での成型性にも優れているからだ。
ところが明石合銅(本社:石川県白山市)の銅ダイキャスト・モーター・ロータは、アルミ製ローターを上回る効率により、小型化が可能になるという。そのためモーター全体では25%の軽量化につながり、EVに用いると車体全体ではさらに軽量化や小型化が期待できるそうだ。
なお、北米のEVベンチャー、テスラモーターズのテスラ『ロードスター』には現在、明石合銅製ではないものの、銅製ローターを使ったモーターが搭載されていると言う。アルミと比べると融点も高い銅によるキャスティングでローターを作るのはかなり難しく、世界初の技術なのだとか。EVベンチャーのテスラは、そうした斬新な技術だからこそ、積極的に採用してモーターの小型軽量化を狙ったのだろう。