【トヨタ カムリ 新型発表】広々感を追い求めて

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トヨタ カムリ 新型
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トヨタから発売された新型『カムリ』のインテリアでこだわったところは、広々感だという。デザイン本部トヨタデザイン部第2デザイン室長の柴田秀一さんは、その開発の初期から、どうしたら広々感を感じてもらえるかを実験したという。

「天井は剛性のためにある程度骨が必要になるのですが、通常はこういう骨の部分は隠して、出来るだけ平らな天井を作ります。ただ、それが故にせっかくの空間を無駄にしていることに気づきました」

そこで、実際にその部分を凸凹にしたまま乗ってみたところ、とても広く感じた。「まさに目から鱗です。多少天井がゆがんだようになるかもしれませんが、極力広く、かつ、デザイン的におかしくならないところはどこかと、一生懸命探し求めて作ったのがこの天井空間なのです」。

また、Aピラーも単純に細くしたのではなく、室内側を凹の面で作っている。「そこを削ぐことで、空間感を感じるということもあり、また光が当たった時に陰影を出すことによって、ピラーを感覚的に細く見せる手法を取っています。細く感じさせるデザインにトライしたのです」。

他にも、後席に座った時にBピラーとフロントシートの隙間を広くとっている。「ここが狭いと後席では圧迫感を感じるのです。ここが広くなれば、後ろの空気がここを通って前に抜けるので、それだけで広々感があるという雰囲気になる。そこで、先代よりも若干広げました」。

また、リアシートの座面先端の横方向は通常真っ直ぐに作られる。しかしカムリは、中央を若干削ぐと同時にセンターコンソールも少し前に出した。「コンソールの中にはティッシュボックスが入る空間は確保したうえで、コンソールとシートの間に先代より50mmスペースが拡大でき、これだけでこの空間がものすごく広く感じます」。

このような積み重ねで空間を全体的に広く感じさせるようにした。柴田さんは、「キャビンの大きさは先代とあまり変わりません。実は、新型はBピラーを内側に倒しているので、先代より狭くなるはずですが、室内は絶対にそうしてはならない、むしろ先代よりも広く感じさせるように努力しました。それがコンセプトのひとつのラショナルです。セダンとしては外してはいけないところなのです」とこの室内空間デザインに満足しているようだ。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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