オーバーヒート知らずの愛車に! 冷却効率を高める秘訣~カスタムHOW TO~

オーバーヒート知らずの愛車に! 冷却効率を高める秘訣~カスタムHOW TO~
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エンジンを冷やす冷却水は非常に重要な役割を持つ。冷却水がエンジン内部の熱を奪い、ラジエーターでその熱を空気中に放出する。この循環を繰り返すことでエンジンは適切な温度を保つことができる。

普通に走っている分には問題ないが、例えばサーキット走行などでエンジンを全開で高回転まで多用する走りをすると、エンジンは多量の熱を発生し、その熱を空気中に放出するために冷却水の温度も上昇していく。ある程度以上の熱が発生すると水温がどんどん高くなり、エンジン内部に熱が溜まってしまう。最終的にはオーバーヒートに至ることもある。

◆想像以上に高品質な純正ラジエーター

かつての冷却系チューニングと言えば、ラジエーター交換が一般的だった。純正よりも厚みのあるラジエーターに交換し、表面積や水量を増やして熱放出量を上げ、オーバーヒートを防ぐ狙いがあった。

しかし現代のクルマのラジエーターは極めて効率が高い。ラジエーター自体は薄いが空気が抜けやすい構造になっており、それによって高い熱放出性能を実現している。意外にも厚みのあるラジエーターに交換するより純正の方が熱交換効率が高い場合もある。

ひと昔前のクルマであれば、サーキットを走ろうと思うとラジエーター自体が小さかったので二層式や三層式など厚みのあるタイプに交換したほうが良かった。しかし現在のクルマではラジエーター交換なしでサーキット走行できるケースも多い。とはいえ、冷却対策は施しておきたい。そこで登場するのがスポーツクーラントだ。

スポーツクーラントの特性

スポーツクーラントはスポーツ走行やサーキット走行に特化したエンジンクーラントで、純正クーラントとは成分が異なる。

純正はエチレングリコールによって不凍効果を持たせているが、スポーツクーラントの多くはポリプロピレングリコールを使用している。ポリプロピレングリコールはエチレングリコールに比べ、熱を奪いやすく冷めやすい特性を持つ。つまりエンジン内部の熱を効率的に奪い、ラジエーターで放出しやすい。結果として純正より効率良く熱交換ができ、オーバーヒート防止に有効だ。

注意すべきは、エンジン出口直後のクーラント温度が純正より高くなる場合があることだ。大量の熱を奪った分、水温は出口で高くなるが、ラジエーター出口では低くなっているはずである。必ずしも「水温が低ければ良い」という単純な話ではない。

選び方と使用時の注意

スポーツクーラントの中には不凍効果がほとんどなく、氷点下では使用できないタイプもある。そのようなレース用は日本の冬場では危険で、夏場のみの使用や冬季は必ず入れ替えるなどの手間が必要だ。その分、冷却効率は非常に高いとされる。一方で一般的なスポーツクーラントであればマイナス15度程度などの十分な不凍効果を備えており、通年使用が可能だ。

クーラントを入れ替える際は、ラジエーターやエンジン内部をしっかりフラッシングし水路をきれいにしておきたい。走行距離が多い車や古い車では、ラジエーター内部やエンジン水路に汚れや詰まりがある場合がある。これらを取り除き、効率の良いクーラントを入れることで本来の冷却性能を発揮させれば、十分にスポーツ走行を楽しむことができるクルマは多い。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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